【アビスパ福岡】開幕まで待てない! 堅実補強に期待
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2022年シーズンのJ1リーグは、18日の川崎フロンターレ対FC東京戦で開幕を迎える。昨年に引き続きJ1での戦いとなるアビスパ福岡は、翌19日にホームのベスト電器スタジアムにジュビロ磐田を迎え、今シーズン最初の試合を戦う。
開幕直前の恒例行事が、マスコミによる順位予想だ。サッカー評論家をはじめ、スポーツ紙・サッカー専門誌の記者などによるさまざまな順位予想が、さながら百花斉放といった趣である。
下馬評をざっと見てみると、我らがアビスパ福岡の評価は残念ながら芳しくない。昨年の8位をフロックと見たのか、10~12位に置く評者が多い。なかにはプレーオフ圏内の16位と予想する声もあった。
なぜ、これほどアビスパの評価は低いのか?それは、今シーズンに向けて「派手な補強」をしなかったのが原因だろう。サガン鳥栖の守備の要だったDFエドゥアルドを引き抜いた横浜F・マリノス、DF槙野智章やMF扇原貴宏ら日本代表経験のあるベテランを獲得したヴィッセル神戸などと比べると、アビスパの補強は「地味」に見えるのかもしれない。
しかし、アビスパは躍進した昨年のチームを大きく崩すことなく、かゆい所に手が届くような的確な補強を成し遂げた。料理に例えれば、上出来だった昨年のスープベースを煮詰めて熟成させながら、新しいスパイスを加えた…といえるだろう。
そのなかでも強烈なスパイスは、昨年のJ2得点王・FWルキアン(前所属はジュビロ磐田)だ。41試合で22得点、2試合に1点のペースでゴールを挙げたゴールハンター。183cm・87kgと体格に恵まれたオールマイティーなストライカーだ。昨シーズンはクロスからのヘディングでゴールを量産。またスピードにも優れ、一瞬でDFを置き去りにしてゴールを決めるシーンも目立った。
昨シーズンは堅守からのカウンターで、王者川崎をはじめとした強豪を下してきたアビスパ。ルキアンがゴールに迫るシーンが増えれば、チームの勝ち点も増えてくるはずだ。
「新しくて懐かしい味」を加えてくれるのは、MF田中達也(前所属は浦和レッズ)だ。福岡市出身で、アビスパ福岡U-15~東福岡高校~九産大とキャリアを重ねた福岡育ちのフットボーラーだ。ロアッソ熊本でJリーガーとなった後は、ガンバ大阪、大分トリニータ、浦和レッズを経て福岡に凱旋となった。ドリブル・クロス・決定力を兼ね備え、2020年は8ゴール、21年には4ゴールと得点に絡む場面も多い。
主戦場のサイドハーフにはMFジョルディ・クルークス、MF金森健志、MF杉本太郎ら昨年結果を出したメンバーが並ぶが、田中は彼らに割って入るだけの能力を間違いなく備えている。
そして、「2022年のアビスパ」というスペシャルメニューを手がける名シェフ、今年もアビスパを率いる名将が長谷部茂利監督だ。20年の就任以来、堅い守備からの速攻を磨き上げ、安定した成績を残してきた。「交代5人制」を最大限に生かした采配は、Jリーグの監督のなかでも指折りの腕前といっていいだろう。
さあ、すべての準備は整った。「リーグ戦8位以上、カップ戦ベスト4以上」という目標を目指し、22年のアビスパの戦いが始まる。
【深水 央】
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