バーチャルヒューマン 若い消費者の新たな選択肢に(前)
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産業規模は20年同期比70%増の1,115億円に
独特のビジュアル、完璧なキャラクター設定で、入念に作成されたバーチャルヒューマンが徐々に現実の世界に入り込んでいる。ネットで圧倒的人気を誇るバーチャル歌姫の洛天依(ルォ・テンイ)からブランド独自のバーチャルヒューマン、さらにはSNSに登場する各種バーチャルパーソナリティーまで、さまざまなバーチャルヒューマンが登場している。ここ数年、バーチャル司会者、バーチャルアイドル、人工知能(AI)パーソナリティーなどが、徐々に私たちの身近なものになった。
関連報告書によると、2030年には、中国のバーチャルヒューマン(デジタルヒューマン)市場の規模は全体で2,700億元(約4兆8,600億円)に上る見込みで、ますます多くの企業や資本がバーチャルヒューマンの競争に参入している。
バーチャル歌手やバーチャルパーソナリティー、バーチャルヒューマンが身近に
ショート動画共有アプリ「抖音(TikTok)」の音楽イベント「美好奇妙夜晩会」に、バーチャルアイドルグループのA-SOULが登場し、「サイボーグ歌姫」の朱婧汐と一緒に中国民謡調の「赤伶」を歌った。
洛天依の9周年の誕生日イベントには、全国各地から大勢のファンが上海に集まった。ファンは洛天依の歌をしっかり覚えていて、声を合わせて一緒に歌っただけでなく、ステージに向かって「ベイビー!」などと叫んでいた。そしてイベントが終わっても、ファンたちは会場の回りからなかなか帰ろうとしなかった。
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メタバースブームのなか、注目集まるVRデバイス(前)バーチャルヒューマンは今ではもうなじみの薄いものではない。海外で人気のバーチャルインスタグラマーのリル・ミケーラやバーチャルモデルのimma、中国発のバーチャルキャラクターの翎_Lingや超リアルバーチャルヒューマンのAYAYI、そして初音ミクや洛天依などのバーチャル歌姫、さらにはA-SOULやRICH BOOMなどのバーチャルアイドルグループまで、独自のキャラ設定がなされているだけでなく、リアルな人のようにSNSでネットユーザーと交流し、オフラインイベントに「参加」したり、商品のキャンペーン役を務めたりする。バーチャルヒューマンは何度かの技術イノベーションを経て、その形態がますます豊富になっている。
サービス型バーチャルヒューマンの応用範囲がより広く
バーチャルヒューマンは現実の世界に存在するものではない。コンピューターグラフィックス(CG)、レンダリング、モーションキャプチャ、ディープラーニング、音声合成などのコンピューターツールを通じてつくり出され、利用されるもので、外見の特徴、人のように振る舞う能力、人とやりとりする能力など、人のもつさまざまな特徴を備えた総合的な創作物だ。代表的な応用を細分化すると、バーチャルアシスタント、バーチャル顧客サービス担当者、バーチャルアイドル、バーチャルパーソナリティーなどがある。
バーチャルヒューマンは2種類に分かれる。キャラクター型バーチャルヒューマンとサービス型バーチャルヒューマンだ。
そのうちサービス型バーチャルヒューマンは、主にリアルな人間に代わって情報提供を行うなどのコンテンツ制作に利用され、簡単な問い合わせややりとりに対応する。海外ではCG分野の技術的優位性があることから、人へのサポート力が高いバーチャルヒューマンを作成することが可能で、他分野に先駆けて、医療場面などでバーチャルなつきそい・アシスタント、バーチャル心理カウンセラーなどとして利用されている。
(つづく)
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