九州地銀の2022年 第3四半期(12月期)決算を検証する (2)
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金融グループ(FG・FH)の12月期決算
【表1】は、九州地銀17行(FG・FH含む)の2022年3月期第3四半期(12月期)の経営成績推移表である。3金融グループの親会社に帰属する当期純利益の12月期合計は、前期比105億9,100万円増(15.5%増)の788億5,200万円だった。
当期純利益の1位はふくおかFG(福岡銀行・熊本銀行・十八親和銀行)で、同84億2,700万円増(23.6%増)の441億7,500万円だった。2位は西日本FH(西日本シティ銀行・長崎銀行)で、同26億6,800万円増(15.4%増)の200億4,000万円。3位は九州FG(肥後銀行・鹿児島銀行)で、5億400万円減(3.3%減)の146億3,700万円となり、九州FG だけが前期を下回った。
シェアはふくおかFGが56.0%、西日本FHが25.4%、九州FGが18.6%となっている。
九州地銀17行の12月期決算
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山口FGの22年3月期決算~当期純利益135億円の赤字予想九州地銀17行の当期純利益は、前期比127億7,400万円増(12.8%増)の1,124億6,600万円と増加した。
1位は福岡銀行で、同20億3,200万円増(4.9%増)の432億1,800万円。シェアは38.4%。2位は西日本シティ銀行で、同25億500万円増(17.0%増)の172億4,600万円と大幅な増益。シェアは15.3%となっている。
3位は十八親和銀行で、同59億9,000万円増(295.1%増)の80億2,000万円。十八銀行と親和銀行は20年10月1日に合併して誕生。前期は10位だったが、合併体制が整ったことが読み取れる。シェアは7.13%。4位は鹿児島銀行で同8,100万円減(1.0%減)の80億1,100万円、シェアは7.12%だった。
5位は肥後銀行で、同18億4,700万円減(20.5%減)の71億5,700万円と大幅な減益。グループの鹿児島銀行よりも8億円強のマイナス。シェアは6.4%だった。6位は宮崎銀行で、同6億300万円減(9.4%減)の58億1,400万円、シェアは5.2%。7位は大分銀行で、同13億3,800万円増(34.3%増)の52億3,600万円と大幅な増益となった。シェアは4.7%。
8位は熊本銀行で、同4億5,300万円増(13.3%増)の38億6,000万円、シェアは3.4%。9位は佐賀銀行で、同13億5,200万円増(57.6%増)の37億円、シェアは3.3%となった。
10位は北九州銀行で、同1億7,400万円増(7.1%増)の26億2,300万円、シェアは2.3%。11位は南日本銀行で、同6億4,400万円増(47.8%増)の19億9,200万円と大幅増となり、シェアは1.8%としている。
12位は宮崎太陽銀行で、同2億3,500万円増(16.4%増)の16億6,700万円、シェアは1.5%。13位は豊和銀行で、同1億9,700万円増(14.6%増)の15億4,200万円、シェアは1.4%。
14位は佐賀共栄銀行で、同3億3,400万円増(72.5%増)の7億9,500万円と大幅増益となり、前期の16位から順位を上げた。シェアは0.7%。15位は福岡中央銀行で、同9,900万円増(16.8%増)の6億8,900万円、シェアは0.6%だった。
16位は筑邦銀行で、同1億1,600万円減(15.4%減)の6億3,700万円。第一地銀のなかで一番少ない当期純利益となっている。シェアは0.57%。17位は西日本FH傘下の長崎銀行で、同6,800万円増(35.6%増)の2億5,900万円、シェアは0.2%。
山口FGと傘下の北九州銀行は2月4日に発表した12月期の計数について、2月28日に減額修正している。
【表2】の通り、3月7日の日経平均株価(終値)は前日比764.06円安(同2.94%減)と今年の最安値となった。12月決算期の21年12月30日の日経平均株価(終値)は2万8,791円。3月7日は3,570円安(12.4%減)と大幅な下げとなっており、山口FGに続き、保有する有価証券の下落や貸倒引当金の増額などにより、減額修正する地銀が出てくることが予想される。
(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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