2024年11月13日( 水 )

アビスパ、好機生かせず今季初黒星

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サッカー イメージ サッカーJ1リーグのアビスパ福岡は12日、柏レイソルのホーム・三協フロンテア柏スタジアムで第4節の試合を行った。

 アビスパ福岡はここまでリーグ戦では3戦して3引き分け。開幕戦・対ジュビロ磐田では最終盤に失点して同点に追いつかれ、神戸戦・札幌戦はスコアレスドロー。攻守ともに目指すかたちは実践できているものの、決め手を欠き、勝ち星に恵まれていない。対する柏レイソルは、ここまで2勝1敗とまずまずの滑り出しとなっている。

 試合はアビスパが強度の高いプレスで柏のプレーを阻み、手数を少なくカウンターに持ち込む得意の展開でスタート。セカンドボールの競り合いも制する場面が多く、優勢なかたちで試合を進める。この試合、とくにキャプテンを務めるMF前寛之が躍動。ボール奪取から素早く攻撃のスイッチを入れ、意欲的にゴールを目指す姿勢が目立った。

 しかし、先制ゴールを奪ったのは柏だった。29分、MF中村慶太のパスを受けたMFマテウス・サヴィオがたしかなテクニックを披露。マテウスはFW細谷真大とのワンツーパスでペナルティエリア右側に侵入すると、GK村上昌謙との一対一に持ち込む。マテウスが鋭く右足を振りぬくと、ボールはゴール上に突き刺さった。アビスパDF志知孝明が上がった裏のスペースを効果的に使い、ここしかないという場所に見事に叩き込んだ、技ありのシュートだった。

 その後もアビスパの攻勢で試合が続くが、そのまま前半終了。後半、59分にはアビスパにビッグチャンスが訪れる。ゴール前でこぼれ球を収めたFWルキアンが、MF前寛之にパス。前はこれをダイレクトで撃ち込むが、シュートはクロスバー下側に弾かれてゴールならず。バウンドしたボールにルキアンが素早く反応してヘディングシュートを放つが、これは柏の韓国代表GKキム・スンギュが抑えて得点ならず。

 ゴールに見放された感のあるアビスパは、MFジョルディ・クルークス、MF田中達也、FWフアンマ・デルガド、FW城後寿らを次々と投入する。なかでもMF田中達也は豊富な運動量と一対一で勝負を仕掛ける姿勢を徹底し、何度もゴール前に侵入して決定機をつくった。

 だが、試合はそのままタイムアップ。アビスパが放ったシュートは14本と、柏の6本を大幅に上回ったものの、結局ゴールを奪うことはできなかった。「あれだけチャンスをつくったのに得点できなかった」と長谷部茂利監督が振り返るように、ゲームを支配し、ゴール前に迫るシーンを多くつくり出したのはアビスパ。だが、勝利をつかんだのは少ないチャンスを見事にものにした柏だった。まさに「これこそフットボール」なのだが、アビスパはこれでリーグ戦4戦して0勝1敗3引き分け。まだ順位を気にする段階ではないが、4試合を終えて全18チーム中16位と下位に沈んでいるのもたしかだ。

 昨シーズンは、実力で上回る相手に対しても自分たちの強みを発揮して存分に戦い、少ないチャンスを生かして勝利をもぎ取ってきた。今季はここまでアビスパらしい「シンプルで強度の高い守備、素早い攻守の切り替えから手数の少ない攻撃」というプレーはブレなくできているものの、結果が出ていないのはもどかしいところだ。

 しかし思い出してほしい。昨シーズン、アビスパがリーグ戦初勝利を挙げたのは第4節。4節までの勝ち点は4で、今シーズンの勝ち点3と比較しても遜色はない。昨シーズンは連敗スタートの不安な立ち上がりから、最終的にはクラブ史上初のJ1リーグ8位まで駆け登ったのだ。

 ここまで、長谷部監督が求めるスタイルは実現できている。対戦相手も、「やはり今年のアビスパも手ごわい」と感じているはずだ。結果は必ずついてくる、今は信じて応援を続けよう。

【深水 央】

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