主権者は結束して安倍政権の暴走阻止を
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NETIBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、現代日本政治が直面する6つの基本的な問題を挙げたうえで、主権者が結束して安倍政権の暴走を阻止しなければならないとした、5月31日付の記事を紹介する。
原発、憲法、TPP、消費税、基地、格差、これが現代日本政治が直面する六大基本問題である。
小笠原海域を震源地とするマグニチュード8.5の巨大地震が発生した。震源が深く、津波も発生しなかったが、遠く離れた神奈川県で震度5強の揺れが観測された。東日本大震災では長く続いた揺れが東京電力福島第一原発の原子炉を損傷させ、過酷事故を発生させた可能性が指摘されている。頻発する巨大地震が日本の原発の巨大脅威になっていることは疑いようがない。
鹿児島県の口永良部島がマグマ水蒸気噴火を起こした。火砕流が湾岸地域にまで到達したと伝えられている。火山活動を活発化させる熊本県の阿蘇山、鹿児島県の桜島、そして口永良部島は同一直線状に位置する。これらの火山の活動が活発化していることは、九州電力川内原発の最大の脅威である。
さらに、日本を縦断する最大の活断層がある。中央構造線である。この活断層は長野県諏訪から鹿児島県川内にまで達している。そして、この活断層の上に、愛媛県の伊方原発が位置している。川内に活断層が通っていることの1つの証しが1997年3月26日に鹿児島県阿久根を震源として発生したマグニチュード6.2、震度5強の地震、そして、2カ月も経たないうちに、鹿児島県川内で1997年5月13日に発生した震度6弱の地震である。
実はこの2年前の1995年1月17日に、あの阪神淡路大震災が発生している。
反原発運動を継続してこられた広瀬隆氏は、日本の原発がマグニチュード6.5の直下型地震に耐える設計にしかなっていないと指摘する。これでは原発の安全性を守れない。2008年6月14日に発生した岩手宮城内陸地震のマグニチュードは7.2だった。この地震で山は崩れた。震源断層の上では、4,022ガルの地震加速度が記録された。上下動は3,866ガルだった。
2011年3月11日に過酷事故を引き起こした東京電力福島第一原発で観測された地震動は規制基準を超えていたが、500ガルを上回った程度であった。その揺れで福島原発は破壊され、過酷事故が引き起こされた。2008年の岩手宮城内陸地震で観測された地震加速度は4,022ガルである。この強さの揺れが発生すれば、原発はたちどころに破壊される。
福井地方裁判所の樋口英明裁判長が、関西電力大飯原発、高浜原発の運転禁止を命令した最大の理由がこの点にある。常識的な判断である。安倍晋三氏が、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を最大に尊重する意思があるなら、原発の再稼働を認められるわけがない。安倍氏が原発再稼働を認める方針を堅持しているのは、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」など、まるで考えていないからだ。これが事実なのだから、その事実通りに発言すれば良いのだ。「国民には生命、自由及び幸福を追求する権利などありません」と。
そう言わずに、あたかも「生命、自由及び幸福を追求する国民の権利」が重要であると考えているかのように振る舞いながら、原発再稼働を推進する姿勢が、あまりにも悪質なのである。国会では憲法を破壊する法律案の審議を強行している。政府の不誠実な対応に、野党がようやく審議拒否で対応し始めたが、違憲立法を今国会で成立させないよう、野党は全力を注ぎ、国民はその行動を全面支援するべきである。
TPPは米国議会の抵抗で動きが止まっているが、日本政府は単なる対米隷属であるから、米国議会がTPA法を成立させると、TPP突入が不可避になる。
沖縄では翁長知事が辺野古基地建設反対を唱えているが、政府は海洋博跡地を軸にUSJ進出で地元の結束を崩そうとしている。この「利益誘導」に翁長県政が傾きつつある点を見逃すことができない。消費税、格差の問題も、悪化の一途を辿っている。主権者は結束して安倍政権の暴走を阻止しなければならない。
※続きは5月31日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1157号「沖縄でもスポーツでも利権まみれ勢力が蠢いている」で。
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