中国各地でロックダウン 甚大な経済損失(前)
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中国最大の国際都市である上海が、3月28日から浦東と浦西でそれぞれロックダウンに入った。当初は5日間限定とされていたが、延長を繰り返し、4月17日時点で21日間を超えてしまっている(27日時点でも継続中)。
2,500万の人口を抱え、中国経済の心臓ともいえる大都市の上海。27日夜にロックダウンが発表されてから実行までわずか6時間、スーパーマーケットヘ買いだめに走った市民もいたが、大勢の市民は食べ物や生活物資も間に合わず、さらには当局による「5日間限定」との発表を信じてまるで準備をせず、食料が尽き果てた人もいて、中国で一番賑やかな都市が「飢餓の街」へと一変した。
また工場はすべて操業停止、学校も休校、店も休業、外出は全面禁止となり、物流も断たれ、交通機関もストップした。170年以上前に誕生した上海が初めて「完全停止」状態に陥ったのである。
こうしたなか、上海全域での新規感染者数は4月17日時点で36万人に達したが、重症者はわずか5人、また死者はゼロであり、さらには無症状者が9割以上となっている。しかし病院は急患を受け付けず、救急車も呼べず、鬱による自殺なども含めて少なくとも73人がロックダウン関連死をしている(ネットユーザーによる公開資料より)。
このため、地元市民の不満も増大しており、外資系企業の生産活動にも影響がおよんでいる。 上海市のコロナ対策は、中国の基本的なゼロコロナ政策とは違っていた。春節(旧・正月)前の1月に市内の紅茶店で感染が発覚した際は、近隣地域も含めて行動を制限する中国の防疫政策の慣例に反して同店のみをリスク地域に指定。「中国史上最小のリスク地域」と話題になった。
上海市政府は「ウィズコロナ」派の張文宏氏(復旦大学付属華山医院感染科主任)をコロナ医療専門家チームのトップとし、最小限のコストで最大限の効果を目指す欧米流の防疫政策を試行錯誤してきた。
張氏は3月25日の記者会見でも「都市封鎖ではなく、大規模なPCR検査が必要」などと述べていた。
26日、専門家チームの委員を務める呉凡氏(復旦大学上海医学院副院長)も記者会見で、「上海市は上海市民だけの上海市ではない。(都市封鎖は)中国経済だけでなく、世界経済にさえ影響を与えかねない」と都市封鎖を強く否定した。
しかし、2日後、上海はロックダウンを始めた。
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「鎖国」解除? 外国人入国制限の大幅緩和へ中央政府は衛生政策を担当する孫春蘭副首相を上海市に派遣し、「習総書記の重要な指示を貫徹せよ」という指示を上海市幹部に伝え、「党中央と国務院(政府)の決定に従い、ゼロコロナの総方針を揺るがしてはならない」と「ゼロコロナ」政策の徹底を上海市政府に求めた。
共産党機関紙『人民日報』は、上海市の感染拡大に関する論評で「人口大国である中国では、ゼロコロナ政策のみが、医療資源の枯渇を回避し、高齢者や基礎疾患を持つ人の死亡を防ぐことができる」と政策の堅持を訴えた。
中国政府が徹底した「ゼロコロナ」政策を講じている理由について、国家衛生健康委員会(厚労省に相当)によると、中国にはコロナ禍で弱者となる高齢者が多く、いったん感染してしまうと死に至る可能性が高いので、死者の数を少しでも減らす必要があるから、というのである。「ゼロコロナ」の徹底、それはつまりロックダウンである。
(つづく)
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