2024年07月16日( 火 )

中国・全国統一大市場の建設、計画経済に逆戻りか(前)

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天安門広場 イメージ    「中共中央(中国共産党中央委員会)・国務院の全国統一大市場の建設加速に関する意見」が4月10日に公表された。

 同意見は問題志向型と「立と破」の同時進行を堅持し、6つの面から全国統一大市場の建設加速の重点任務を明確にした。同意見は「立」について、次の「5つの統一」に取り組むことを明らかにした。(1)市場基礎制度・ルールの統一の強化。(2)市場施設の高基準の相互接続の促進。(3)統一的な要素・資源市場の構築。(4)商品・サービス市場の高水準の統一の促進。(5)市場監督管理の公平と統一の促進。同意見は「破」について、不当な市場競争および市場干渉行為をさらに規範化することを明らかにした。

 北京の専門家は、「『大市場』によって新たな構造を構築し、中国市場が大きな市場から強い市場へ転換するよう推進することは、目下の改革深化の重要な任務であり、中国の市場化改革はこれによって重要なパズルのピースを埋めることになる」との見方を示した。

 中国国際経済交流センターの王一鳴副理事長は、「新発展構造を構築するカギは経済のスムーズで滞りのない循環にある。全国統一大市場の建設加速、経済の循環を制約するカギとなる行き詰まりの打開、地方保護と市場分割の状況打破、商品・要素・資源のより広い範囲でのスムーズな流通促進、中国市場の優位性の絶え間ない増強をして初めて、世界のハイレベルの要素や市場資源を効果的に誘致し、中国国内市場と国際市場をより良く連携させることができ、『双循環(国内と国際的な2つの循環)』の新たな発展局面を構築するために強く大きな支えを提供することが可能になる」と述べた。

 全国統一大市場はどのように構築するのだろうか。具体的なやり方の原則では、構築と打破の同時進行がキーワードになる。

 「構築」とは、ルールを構築し制度を確立することに着目することだ。たとえば、市場の健全な運営という最も基本的なルールから着手することについて、同「意見」は知的財産権の保護、市場参入、公平な競争、社会的な信用の4項目が統一された「四統一」の基礎的制度の構築を打ち出した。

 市場の監督管理の公平さと統一を推進することは、地方保護と地域間の障壁を打破し、全国統一大市場を建設するための重要なルートでもある。同「意見」には、「市場の監督管理の標準化・規範化の建設を強化する」「法執行の基準とプロセスを統一し、法執行の行為を規範化し、自由裁量権を削減する」などの記述が盛り込まれた。新業態や新モデルに対し、政府は「監督管理の規範の堅持と発展の促進をともに重視し、法律・法規と基準に欠けている部分を速やかに補完すること」が必要だと強調する。

(つづく)


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