苦戦で上等!アビスパ、難敵をゼロ封 福岡0-0浦和
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サッカーJ1リーグアビスパ福岡は28日、ホームのベスト電器スタジアムに浦和レッズを迎えて第16節の試合を行った。
前節は名古屋グランパスに先制を許し、相手に退場者が出たものの、数的優位を生かせず敗戦。得点力不足という課題は解決できないままだ。
この日対戦した浦和レッズは、ここまでの15試合中、無得点の試合が8試合。2勝8分け5敗と、強豪チームとしては難しい戦いが続いている。
試合は戦前の予想通り、浦和がボールを支配する展開で進んでいく。アビスパの2トップ、FW山岸祐也、FWフアンマ・デルガドは前線からチェックを仕掛けるが、「リーグトップクラスの強さと上手さがある」(長谷部監督の試合後会見より)浦和のセンターバック陣、DF岩波拓也、DFアレクサンダー・ショルツは見事なボールさばきとポジショニングで危なげなく前線にパスを送り込む。
浦和は前線のFW小泉佳穂、MF伊藤敦樹らがパス交換しながらゴールに迫るが、アビスパはDF奈良竜樹、DFドウグラス・グローリ、GK村上昌謙が鉄壁の守備を見せ、ゴールを許さない。
いつものアビスパの試合なら、「いい守備から攻撃へ」と切れ味鋭いカウンターを繰り出すところだが、この日はいつもならカウンターのスイッチを入れる中盤のMF前寛之、MF中村駿がセカンドボールの競り合いで圧倒されるシーンが続く。攻撃の切り札として期待されるMFジョルディ・クルークス、MF田中達也も懸命に守備に走る場面が目立った。
前後半を通じて浦和が攻撃、アビスパが守備という時間が長く続いたが、アビスパの選手たちは最後まで集中力を切らさず、90分の死闘は0-0の引き分けで終了した。
サポーターとしては消化不良の結果だったかもしれないが、試合後の記者会見での長谷部茂利監督の印象は違った。「ACLを戦っているチーム」と浦和をリスペクトしたうえで、「この試合、浦和に勝ち点3を渡すわけにはいかなかった」とこの一戦に期するものがあったことを明らかにした。
「今日の先発メンバーは、『コンディション重視』という基本的な考え方を逸脱して起用したいメンバーを並べた。結果として、疲労がある選手もいたと思う」と、厳しい連戦のなかで選手に無理がかかることを承知の起用策だったことを明かした。現在の順位こそアビスパが上だが、本来なら浦和は優勝を争うようなチーム。その浦和と、苦しい連戦のさなかに真っ向から渡り合い、ゴールを奪われることなく勝ち点1を奪ったのは非常に価値のある一戦だったといえるだろう。
6月1日の天皇杯(沖縄SV戦)、4日・11日のルヴァンカップ・プレーオフでJ1リーグは中断期間に入る。ルヴァンカップのトーナメント進出は、今シーズンの大きな目標の1つ。暑い日が続き、選手のコンディション調整が難しいのは間違いないが、可能な限りリフレッシュして試合に臨んでほしい。
【深水 央】
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