アビスパ、山岸のゴールで鹿島に先勝 福岡1-0鹿島
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サッカーJ1リーグアビスパ福岡は4日、ホームのベスト電器スタジアムに鹿島アントラーズを迎えて、JリーグYBCルヴァンカップ・プレーオフステージ第1戦の試合を行った。鹿島アントラーズは現在リーグ戦では16試合で27得点を挙げる攻撃力に優れたチーム。アビスパの堅守と鹿島の攻撃力、どちらが上回るかに注目が集まった。
グループリーグ上位2チームがホームアンドアウェー方式のプレーオフを戦い、勝ったチームが決勝トーナメントに進出する大事なこの試合、アビスパの長谷部茂利監督は先発に現状のベストメンバーを並べて試合に挑んだ。
対する鹿島アントラーズのレネ・ヴァイラー監督もこの試合の重要性は当然認識していたはずだが、先発のラインナップは日本代表に召集されたエースストライカーのFW上田絢世、中盤を支配するブラジル人MFディエゴ・ピトゥカを欠く編成。結果的には、この両者の差が勝敗を分けることになった。
アビスパはブロックをつくってしっかり守り、鋭いカウンターをしかけるお馴染みのスタイル。対する鹿島はボールをキープしながらFW鈴木優磨、FW土井聖真を中心に攻撃を仕掛けるが、アビスパの守備陣は冷静に対処して不利な状況をつくらせない。
拮抗した状況のなか、先にゴールを奪ったのはアビスパだった。23分、奪ったボールを左サイドに展開すると、MF田中達也が俊足を飛ばして敵陣に侵入。ゴール前に走りこんだFWフアンマ・デルガドに鹿島守備陣の注意が集中した瞬間、田中が選んだのは後ろから走りこんできたFW山岸祐也への折り返しパスだった。山岸はこの鋭いパスをノーマークで受け、ダイレクトでゴールに流し込んだ。
アビスパの先制点以降、鹿島はボールを動かしながら攻撃のトライを続けるが、アビスパの守備ブロックはほころびを見せない。鹿島FW鈴木優磨はピッチ上あらゆるポジションに顔を出して攻撃を組み立てるものの、ゴール前でシュートを放つアタッカーが不在では、チャンスをつくるもゴールには至らない。16試合で10ゴールを決めている日本代表FW上田絢世の不在は、鹿島にとって明らかに大きな痛手だった。
試合はそのまま1-0で終了。先勝したアドバンテージはもちろんのこと、ゴールを奪われずに勝ち切ったのは大きい。11日にカシマスタジアムで行われる第2戦に、非常に有利な状態で臨むことができる。
試合後の記者会見で長谷部監督が「良いかたちは少なかったが、1点取れたので非常に良かった。守備のところは継続して積み上げているものが出せた」と語ったように、アビスパらしい見事な勝利だった。強豪・鹿島アントラーズ相手に真っ向からファイトし続け、鋭い一刺しで奪ったゴールで勝利。第2戦で引き分け以上なら無条件で、敗れた場合でも1点差ならアビスパの決勝トーナメント進出が決定する。第2戦も、アビスパらしい堅い守備を見せてほしい。
【深水 央】
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