アビスパ、値千金のアウェーゴールで8強 鹿島2-1福岡
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サッカーJ1リーグのアビスパ福岡は11日、アウェーのカシマサッカースタジアムで鹿島アントラーズとJリーグYBCルヴァンカップ・プレーオフの第2戦に臨んだ。
前週行われた第1戦では、FW山岸祐也のゴールを持ち前の堅守で守り抜き、1-0で見事勝利したアビスパ。対する鹿島は、日本代表FW・上田絢世を欠く難しい状況が続く。なお、この試合は新型コロナウイルス感染拡大以降禁止されてきた「声出し応援」復活のためのモデルケースとして、一部の観客席に限ってチャントなどの声出し応援が許可された。
試合は序盤から波乱含みでスタートする。8分、アビスパの守備の要・DF奈良竜樹が肩を痛めて交代すると、鹿島の攻撃を率いるFW鈴木優磨も足首を痛めてベンチに下がるなど、両チームの核となる選手が早々にピッチを後にする、難しい試合となった。
先にチャンスをつかんだのは鹿島。34分、ドリブルを仕掛けるDF常本佳吾からパスを受けたFW和泉竜司がフリック。アビスパDF志知孝明がこれを防ぐが、こぼれ球が飛んだ先にはFW鈴木優磨に代わって出場したFWエヴェラウドがいた。エヴェラウドが落ち着いて蹴りこみ、鹿島が先制する。さらに40分、鹿島はMF仲間隼斗がミドルシュートを決め、2点リードに変わる。カシマサッカースタジアムには、鹿島サポーターの割れんばかりの大歓声が響き渡った。
しかし、このままで終わらないのが今のアビスパだ。前半アディショナルタイム、FWフアンマ・デルガドが粘り強くボールをキープすると、DF前嶋洋太がゴール前でボールを受け、すぐさま中央に折り返し。これを第1戦のヒーロー・FW山岸祐也が落ち着いてゴールに流し込み、2-1と1点差に追い上げる。
これで第1戦・第2戦の合計スコアは2-2と同点になるが、ルール上アウェーで得点を挙げているアビスパが有利となる。鹿島はもう1点奪わなければ勝ち抜けられない状況に追い込まれた。
後半攻勢を強めたい鹿島に対し、アビスパは守りに入ることなく引き締まったプレーを続ける。試合はそのまま終了、この日の試合には敗れたものの、ルヴァンカップ・プライムステージへの進出が決定した。
試合終了後、長谷部茂利監督は「試合そのものには負けてしまったので、そんなに喜ぶことじゃない」とコメント。「勝って兜の緒を締めよ」ということわざそのものだが、まずは次のステージに進めることを喜びたい。
18日のアウェー清水戦から、J1リーグ戦が再開する。監督が交代し、チームの立て直しを図っている古豪・清水とどう戦うか。アビスパの選手たちのプレーに注目しよう。
【深水 央】
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