2024年11月22日( 金 )

政策の対立軸を基準に野党再編を

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 NETIBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、野党陣営の体制立て直しは急務だが、政策の対立軸を基準にしなければならないとした、6月5日付の記事を紹介する。


 野党の再編が画策されている。安倍政権が暴走を加速させている現状を踏まえれば、野党陣営の体制立て直しは急務である。しかし、この再編を誤れば、日本において、「主権者のための政治」を実現することは困難になる。

 何が懸念されるのか。それは、これまで日本を支配してきた「既得権益者のための政治」が半永久的に固定されることである。具体的には、「既得権者を代表する二大政党制」の確立が懸念されるのだ。

 現在の与党勢力は「自公」である。この「自公」に対峙する勢力として、たとえば、「民維」という勢力が確立されるとする。このとき問題になるのは、「民維」が「主権者勢力」として確立されるのか、それとも、「既得権勢力」として確立されるのか、という点にある

 私がかねてより警告してきたことは、日本を支配し続けてきた米国が、日本に、対米隷属の二つの勢力による二大政党体制を確立しようとしていると見られることである。新しく野党が再編され、自公勢力に対峙し得る勢力が構築されるとしても、その統合野党勢力が対米隷属を基本に据える政党であるなら、日本の対米隷属体制は半永久的に固定されることになるのである。
 民主と維新が合流して新勢力を創設するという場合、起こり得る可能性が最も高いのはこのケースである。
 現在の民主と維新の中心には、対米隷属勢力、米・官・業の利益を代弁する勢力が巣食っている。この勢力が中心となって野党再編が進められるならば、新勢力は間違いなく米官業の既得権者の利益を代弁する勢力になってしまうのだ。日本を実効支配している米国は、日本の政治状況を、対米隷属の二大政党体制に移行させることを狙っている。この方向に誘導されることを警戒し、これを阻止しなければならない。
 そのために重要な考え方は、「政策の対立軸を基準にすること」である。「政策の対立軸」を明確にせずに、ただ数だけ集めればよいというのは、単なる野合=「数合わせ」であって、日本政治を刷新することにはつながらない。この点が現在の野党再編論議に欠落している。致命的な欠陥である。

 私たちがこれからどのように行動するべきか。このことを考えるための勉強会が開催される。多くの市民の積極的な参加を期待したい。

第2回「日本政治の行方を考える市民と国会議員の勉強会」

日   時  平成27年6月12日(金)午後5時~午後7時半

場   所  衆議院第一議員会館地下1階 多目的ホール

テ ー マ  「日本政治の劣化を食い止めよう
        -国民が主役の政治を-」

講   師  天木直人(外交評論家)
       植草一秀(経済評論家)
       孫崎 享(元外務省情報局長)
       森田 実(政治評論家)
       (あいうえお順)

資 料 代  お一人1,000円

参 加 受 付  当日、会場にて(事前申込不要)

連 絡 先  伊東法律事務所内 伊東章弁護士
       FAX 03-3985-8514
       東京銀座総合法律事務所内 辻惠弁護士
       FAX 03-3573-7189

 定員に達し次第、受付を終了するとのことなので、その点をあらかじめご了承賜りたい。

※続きは6月5日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1161号「憲法原発TPP基地格差を軸に反自公勢力を結集」で。


 

▼関連リンク
・植草一秀の『知られざる真実』

 

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