韓国で拡大するMERS
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韓国で拡大している中東呼吸器症候群(MERS/韓国では「メルス」と発音)コロナウイルスは、韓国内に混乱をもたらしている。国内報道はほとんどがMERS一色になっている一方で、国が報道機関を介して伝える情報とSNSなどで広まる情報に誤差があるなど、国民の間では不信感も生まれている。
ある韓国人事情通は、「国は本来『危険』とされる情報を隠していた。市民が『この病院には国や警察の関係者がマスクをして大量に詰めかけている』という文章とともに写真をフェイスブックにアップしたことで、病院が特定され貴重な情報源となった。野党出身のパクウォンスン・ソウル市長も独自の判断で、『感染者が出た病院の名前』を公表し、国民からは『賛同』の声が上がった。それによりソウル、水原、大田などの20近い病院は患者がほとんどいない状態になっている」と話す。
また韓国国内では、マスクが品切れ状態になっており、日本を旅行する客などに購買を依頼する人が急増している。日本人は、世界でも際立って日常の「マスク利用率」が高い。韓国では、「風邪を引いた時」や「防寒」くらいでしか使わないが、日本では、「風邪予防」「黄砂」「PM2・5」に加え、「(内科以外の)病院に行く時」「化粧をしていない女性」などが日常的に使い需要が高いため、大人用はもちろん、子ども用、小顔用などが市場に流通している。韓国国内ではMERSが「サウジアラビアのラクダ」から人間にもたらされたウイルスであるとされながらも、その明確な対処法や、感染力も定かになっておらず、国民は、手洗い、うがい、マスクなど、基本的な対策しか取られていない状況のようだ。「外出をせずに物を購入したい」という国民が増え、「ジーマーケット」や「eBAYオークション」といったインターネット通販サイトが売上を伸ばしているという。
韓国人事情通は、「ある男性が二次感染者と指定されたことで、その子どもが通う学校が『学校閉鎖』になった。潜伏期間が2週間近くあるとされるため、どこまで広がっているか見当がつかない。三次、四次あたりの可能性を持つ人までを特定するとなると、対象がかなり広がってしまう。『不安なら家にこもって外に出るな』といった無謀な意見まで出されている。この件により、韓国への観光客が『7%減少』と伝えられるなど、経済的な打撃も大きい」と頭を抱えている。
【杉本 尚丈】
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