中国の台湾侵攻の可能性は?(前)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏台湾情勢は緊迫の度を強めている
ロシアがウクライナへの大規模な軍事侵攻を実行し、全世界はその衝撃や影響をもろに受けている。まさかプーチンが世界を敵に回すような行動に出ようとは想像もしていなかったが、戦争は勃発し、世界の予想を超えて長期化し、泥沼化しつつある。欧州連合(EU)は最悪の場合、約700万人のウクライナ人が難民になると想定している。
ウクライナ戦争は第2次世界大戦後、欧州で最大規模の戦争となった。ところが、もう1つの共産国家である中国は、台湾を侵攻するのではないかと懸念され、東北アジアに緊張が高まっている。とくにペロシ米下院議長の台湾訪問をきっかけに、台湾情勢は緊迫の度を強め、米中間の対立が一気に先鋭化している。
中国の習近平指導部は、ペロシ米下院議長の訪台への不満表明とその対抗措置として、台湾を取り囲むようなかたちで、模擬戦争を彷彿させるほどの大規模な軍事演習に踏み切った。
一方、米国はフィリピンなどに航空母艦を配置させ、中国の動向を鋭意に見守っている。中国が台湾海峡に向けて実際にミサイルを発射したのは、1995年以来27年ぶりのことで、中国の軍事演習は台湾周辺の6カ所の海空域で実施された。中国が台湾を侵攻する際に想定されている台湾封鎖を今回、中国軍は演習したのだろう。中国軍による大規模軍事演習で、軍用機や軍艦が相次いで台湾海峡の中間線を越えた。中間線は中台の事実上の停戦ラインとされているが、中国は中間線を繰り返し侵入している。
米国内ではペロシ米下院議長の台湾訪問について、米中間の緊張を高めるきっかけとなったという批判も出ている。米国は、台湾有事の際には軍事的に介入することを連日ほのめかしているし、これに刺激された中国は台湾海峡での軍事演習をエスカレートさせるという悪循環が繰り返されている。
台湾海峡の軍事的緊張が今後さらに高まる可能性があるなか、周辺諸国では戦争の可能性をシミュレーションするなど、慌ただしい動きとなっている。米国と中国は世界覇権をめぐって、互いに一歩も譲れない激突をいろいろな分野で繰り返しているが、今回は台湾を舞台に両国の利害が鋭く対立している。
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不動産下落で「伝貰(チョンセ)」制度のリスク増大(前)とくに中国に対する米国民の対中感情は、中国がウクライナ戦争でロシアと密接になったことで悪化していて、米中関係が改善する兆しはない。このように両国の関係改善が見込めないなか、誤認射撃などにより突発的に戦争が勃発するのではないかという懸念が高まっている。いずれにしても、台湾戦争が起これば、中国軍の台湾上陸への試みと、これを阻止しようとする米軍が激突する空中戦と海上戦になる可能性が高いだろう。
(つづく)
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