2024年11月22日( 金 )

アビスパ、痛い敗戦で残留争い瀬戸際に 福岡 0-1 G大阪

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

 サッカーJ1リーグアビスパ福岡は8月31日、ホームのベスト電器スタジアムにガンバ大阪を迎えJ1リーグ第24節の試合を行った。この試合は本来8月6日開催予定だったが、アビスパのチーム関係者に新型コロナ陽性者が相次いだため延期されていたもの。

 試合開始直後、大粒の雨がピッチを叩くと、スタジアムには「涼しい」と感じるような風が吹き始めた。8月最終日だが、季節は確実に移ろっている。

 降格圏に沈む古豪・ガンバ大阪と、そこに足を踏み入れたくないアビスパ福岡。試合は両チームとも「失点を避けたい」という思惑が見える、慎重な立ち上がりでスタートした。

誰もが身体を張り、懸命に戦った
誰もが身体を張り、懸命に戦った

 アビスパは前線からプレスをかけるいつものスタイルではなく、一対一の攻防のなかで積極的にデュエルに打ち勝ち、ボールを刈り取っていく。この試合、徹底して「右サイドでボールを運んで左サイドで仕留める」攻撃を繰り出す。29分にはFWフアンマ・デルガドが右サイドから上げたクロスボールにFW山岸祐也がからみ、FWルキアンがシュートを放つが、これはガンバ大阪の元日本代表GK東口順昭がセーブ。こぼれ球にMF前寛之が詰めるが、これも東口の好セーブにあってゴールは奪えない。前半はそのまま両チーム無得点で終了する。

 後半に入っても、試合のペースはアビスパ。FWフアンマ・デルガドは前線で身体を張る。FWルキアンは左サイドで攻守にわたるハードワークを繰り返し、DF陣はギリギリのプレーでガンバ大阪のピンチの芽を摘んでいく。

 試合を決定づけたのは途中交代で登場した選手だった。73分、ガンバ大阪はMFウェリントン・シウバ、FWレアンドロ・ペレイラを投入。すると、疲労の色がみえてきたアビスパ守備陣は、ウェリントン・シウバのスピードについていけず、レアンドロ・ペレイラのフィジカルに押し負ける場面が出てきた。

 そしてアディショナルタイムも終了間近の94分。ガンバ大阪はカウンターから左サイドを駆け上がったMFウェリントン・シウバが低い弾道のクロスを上げ、2人のアビスパDFのあいだにポジションをとったFWパトリックがこれにダイレクトで合わせ、ゴール。そこまで走り続けてきたアビスパの選手たちが思わずピッチに倒れこむ、衝撃的な失点だった。そのまま試合は終了し、アビスパは0-1で敗れた。

試合終了直前、FW渡のシュートは枠内に飛ばず
試合終了直前、FW渡のシュートは枠内に飛ばず

 この結果、アビスパ福岡とガンバ大阪は勝ち点28で並び、得失点差でアビスパが12位、ガンバ大阪が13位となった。ガンバ大阪は監督交代が吉と出て連勝、アビスパはこの5試合で引き分け1つを挟んで4敗と厳しい状況が続いている。

 アビスパはリーグ戦に加え、ルヴァンカップと天皇杯の双方で勝ち進んでいる。それ自体は喜ぶべきことだが、その結果、タイトな日程が選手たちのコンディションにダメージを与え、おまけに新型コロナが追い打ちをかけた。

 今日の試合が本来の日程である8月6日に開催されていたら、なにより新型コロナがなかったら……そのように「タラレバ」を口にしたくなるほど悔しい敗戦だったのは間違いない。だが、それを一番痛感しているのはアビスパの選手であり、監督であり、スタッフなのだ。我々サポーターにできることは、彼らを信じて後押しをすることだけ。

 アビスパの次の試合は、中2日で名古屋グランパスをホームに迎える9月3日のJ1リーグ戦。翌週水曜日には天皇杯ヴァンフォーレ甲府戦が控え、連戦が続く厳しいスケジュールだ。そういうわけだから、サポーターの皆さん、ぜひベスト電器スタジアムに足を運び、アビスパをサポートしてください。

【深水 央】

関連キーワード

関連記事