2024年12月23日( 月 )

中国・高級志向の鉄道が人気 50万円も予約困難

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中国・高級志向の鉄道が人気 50万円も予約困難

ハルビン駅 イメージ    「うだるような暑さ」の今年の夏、高級志向の鉄道の旅が中国国内で密かに人気を集める。新疆ウイグル自治区のウルムチとトルファンを周遊する路線、内モンゴル自治区のフルンボイルと黒竜江省のハルビンを結ぶ路線があり、観光専用列車がこの西北地域と東北地域の両路線を運行する。

 7月20日、ハルビン中国旅行社の社員の劉静さん(仮名)によると、最近話題の観光列車「フルンボイル号」で一番人気があるコンパートメントのタイプは、2万3999元(約48万円)のプラチナルームと2万6999元(約54万円)の紫金ルームだという。フルンボイル号より早く運行をスタートした新疆の観光列車「新東方快車号」の乗車券は、2万8999元(約58万円)から5万1999元(約104万円)までとさまざまだ。

 なぜこんなに高いのか?観光列車に詳しい業界関係者の説明によると、新東方快車号の車両は「25GAC380V」を使用し、2020年から改造作業が行われ、改造の総コストは3,000万元を超えた。フルンボイル号も同じ車両を使用し、改造コストは1両当たり100万元(約2,000円)を超えるが、具体的な数字は非公開だという。同氏は、「これは車両の改造コストだけの数字で、乗務員の給与などの運営コストは含まれていない」と述べた。

乗車券2万~5万元に食事も宿泊もすべて込み

 フルンボイル号は7月3日に試運転を終えると、同日に旅客を乗せた第1便が4泊5日の周遊ツアーをスタートした。それより前の6月9日には、「プチぜいたく列車」の新東方快車号がウルムチを出発し、新疆の南北を駆けめぐる16日間の周遊ツアーを開始した。

 普通の列車と異なり、両観光列車は高級志向または「プチぜいたく」の路線で、「乗車券にすべての料金が含まれる」観光商品だ。全コンパートメントにあるツインベッド、デスク、クローゼット、貴重品ボックス、専用のトイレとシャワールーム、食事、バー、カラオケ、子どものプレーコーナーなどのサービスの料金も含まれ、さらに途中下車する地点での景勝地、ホテル、食事などの料金もすべて含まれる。同社が提供するフルンボイル号のパンフレットによると、アメニティのブランドには舎得酒業(白酒)、ルイ13世(コニャック)、アハバ(スキンケア)、斯得福(ベッドリネン)などが採用されている。

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 両観光列車の定員には違いがある。フルンボイル号は12両でコンパートメントが22室、定員はわずか44人で、乗務員20人が22室にサービスを提供し、乗務員と乗客の割合は1人対2.2人だ。新東方快車号は13両で定員は160人、乗務員約50人が配置され、寝台車両にはコンセルジュが1人ずつ配置されている。

 こうしたサービスを享受するには相当の料金を支払わなければならない。公開された資料によれば、フルンボイル号の4泊5日間のツアー料金はコンパートメントのグレードによって異なり、ゴールドルームの1万8999元、プラチナルームの2万3999元、紫金ルームの2万6999元の3タイプがある。新東方快車号の価格は座席やコンパートメントの種類、途中下車したときに利用するレストラン、ホテルのグレードや観光商品、ショッピング、娯楽施設の利用状況によって異なり、最低価格が1人2万8999元、最高価格が同5万1999元だ。

 前出の劉さんは、「鉄道の旅は海外で非常に流行している。今は新型コロナウイルス感染症のせいで、海外旅行にはなかなか出かけられないので、自然に国内での高級志向の、ひと味違う列車の旅に出かけようという流れになる」と分析した。


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