社員・顧客・会社・社会の四方良しで社会課題を解決する

リーフラス（株）

スポーツを変えデザインする

　スポーツの指導にありがちな体罰や暴言を真っ向から否定し、世間で当たり前のように言われてきた「スポーツ根性主義」を排除することで、子ども向けスクールと部活動支援の新時代にマッチした仕組みを構築しているのがリーフラス（株）だ。

    代表取締役・伊藤清隆氏は現在58歳。自身も学生時代に空手道に打ち込んできた経験から「認めて、褒めて、励まし、勇気づける」指導と部活動改革の重要性を創業時より提唱し、同社を力強く牽引してきました。「『スポーツを変え、デザインする。』を企業理念として全面に掲げ、あらゆる社会課題を解決するソーシャルビジネスを実践しています」（伊藤氏）。

　事業は大きく2つの分野にまたがる。スポーツ分野ではスクール事業、イベント事業、コマース事業、アライアンス事業、ソーシャル分野では部活動支援事業、地域共動活動、ヘルスケア事業、放課後等デイサービス「LEIF」事業を手がける。

　屋台骨であるスクール事業、部活動支援事業では「ココロに体力を。」というキャッチフレーズのもと「非認知能力」を育むためのスポーツサービスを提供する。非認知能力とは簡単に表現するなら社会で逞しく生きていくために必要とされる人間力のことだ。現代教育における一大目的ともいえるテーマに直結している。

社会が求める新しいインフラ

　現在、全国37の都道府県でサッカー、 野球、バスケットなどのスクールを展開するほか、小中学校の部活動指導を現在までの累計929校（2022年6月現在）で受託。スクール数は4,000超におよび、その会員数は5万人超。20年連続増を記録するなど、事業規模においてほかを寄せ付けない圧倒的な存在感を放つ。

　新型コロナウイルス感染症の拡大で学校が休校になった時期には会員数は幾分か減少したものの、現在ではコロナ以前より増えている。コロナ禍で先行きが不透明になったころ、伊藤氏はあらゆる分野の書物を読み漁り、さまざまな専門家と情報交換をすることでその対策を模索した。そこで得た結論は、スポーツは社会のインフラであるとの確信だったという。

子どもたちの人間力育成

    躍進を続けてきた背景には優秀な社員たちの存在があったことはいうまでもない。人間力の育成を柱とするリーフラスの事業において、彼らが成長していくことこそが躍進の原動力だ。同社ではスポーツ指導のプロが登用され、子どもたちの人間力の育成に取り組んでおり、同社の特色の1つにもなっている。

　そんな社員たちのために積極的に取り組むのが、全国約800名の社員が毎月一斉に受講するウェブを用いた社員研修だ。カリキュラムでは社内に豊富な人材がそろっていることが強みとなる。たとえば学校長を経験した者が教育の醍醐味を語ることで社員のモチベーションを上げていく。
　社員たちはこれらの取り組み・制度を通じて「認めて、褒めて、励まし、勇気づける」指導の意義と「スポーツを変え、デザインする。」という企業理念を理解し、顧客である子どもたちと真剣に向き合うことで企業としての理想を実現していく。

プロの視点で教育現場をサポート

　伊藤氏は、今後ますます期待が高まるだろうソーシャル分野についてこう語る。「昨今、学校現場では教職員の方々の働き方が大きく変化しています。その結果起きているのは運動部活動種目と担当顧問のミスマッチや教員の負担増などさまざまな問題です。とくに運動部活動は生涯スポーツの基盤として大きな役割を担っているのですが、現状ではその使命を十分に果たせなくなっています」。そこで高まるのが同社の存在感だ。プロの視点でサポートすることで運動部活動がより良い運営体制へと変革を遂げる原動力になる。

　「また、日本の社会問題の1つとして、平均寿命と健康寿命の差が拡大していることが挙げられます。生涯スポーツや健康寿命への関心、高齢者への運動指導へのニーズが年々高まっているなか、ヘルスケア事業では身近な公民館や教室、老人保健施設などで高齢者の健康増進、そして健康寿命を延ばすため、介護予防運動や健康ヨガ体操の指導を行っています」。同社は地域の資源である体育館や運動場を有効活用することで、「地域と共に動く」地域「共動」事業に取り組む。

　社員の公私における幸福を追加し、顧客の成長を実現する。それが企業としての持続的発展につながるとともに社会への大きな貢献となる。これにはそうした想いが込められている。

【天野　祐次】

＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：伊藤　清隆
所在地：東京都渋谷区恵比寿4-20-3
　　　　恵比寿ガーデンプレイスタワー17F
設　立：2001年8月
資本金：1億2,600万円（資本準備金含む）
ＴＥＬ：03-6451-1341
ＵＲＬ：https://leifras.co.jp