努力する社員が報われる仕組みこそ究極の福利厚生

コンダクト（株）

オープンイノベーションを旗頭に

    北九州市や福岡市、大分県など北部九州を中心に不動産の開発・販売・仲介を手がけるコンダクト（株）。1994年に不動産仲介・企画で設立し、企業規模の拡大にともなって、いくつもの先駆的事業で不動産業界を牽引してきた。同社はISO9001、ISO14001、Pマークの3規格を同時に取得し、中小企業向け信用格付けで業界初となる「a」を2年連続取得するなど高い評価を得ており、他社に先駆けCSR（企業の社会的責任）をテーマに、サスティナブル経営にも注力している。

　同社の和田克之代表の経営手法は、もともと参入障壁の低い不動産業にあって、あえて参入障壁の高い分野に積極参入することで独自の地位を占めて利益を拡大すること。その象徴ともいえるのが、産学連携による社会貢献への取り組みだ。九州大学大学院との共同研究による大分市の「新・京が丘」のデザイン監修や、北九州市立大学や九州工業大学と共同で行った公募型プロポーザル参加など、今後も産学連携の取り組みを積極的に推進する計画だ。

　同社が経営の基本にすえる、アウトソーシングによる不動産開発。「コンダクト」という社名の由来どおり、「統括する、指揮する」役割を自社で担い、さまざまな関連業種のハブとなることで利益を最大化することに注力する。こうした事業形態はいまでは珍しくないものの、和田代表が25歳で起業した当時はまだ目新しく、そうした発想をかたちにすることも難しかった。いわばオープンイノベーションの走りともいえるもので、和田代表は当時を振り返りつつ、「時代が追い付いてきた感がある」と語る。

　「当社の強みは不動産の情報が集まってくることです。情報を集約して編集・加工して付加価値を与え、他業種と繋げることでビジネスに変えて利益を生み出す。インプットをアウトプットして商品に変えることこそ、当社の役割だと考えています」（和田代表）。

高収得プレーヤーを増やす

　同社は従業員の健康維持のための取り組みを充実させており、同業他社に先駆けた週休2日制導入、サービス残業の禁止など、働きやすい職場環境づくりを積極的に推進してきた。このことが北九州市から評価され、2009年には「ワーク・ライフ・バランス表彰」の奨励賞を受賞している。

　さらに14年1月には、北九州市健康づくり賞の第1回企業部門市長賞として「健康づくり表彰」を受賞。これは昼食時間を利用した10分ランチフィットネスの実践について与えられたもので、同社従業員だけでなくステークホルダー（ビル入居者、取引先、地域住民）と一緒になった取り組みが高く評価された。近年はインフルエンザワクチンの全額会社負担をはじめ、3年間の育児休暇のほか、コロナ禍以降はワクチンの職域接種や社員研修のオンライン化を進めてきた。

    和田代表は、時流を読み、波に乗り続けることこそ経営者の責務という考えのもと、新型コロナ禍の影響でビジネス環境が厳しいなかでも拡大路線を維持し続けるとしている。規模を大きくすることで賃金ベースアップのみならず福利厚生をより充実させ、ひいてはより優秀な人材を確保でき、優秀な人材が最大限能力を発揮して利益を拡大する、という好循環こそ和田代表の目指すところだ。

　「結局、給与が伸びないことには社員のやる気を引き出すこともできません。まずは（年収）高収得プレーヤーを増やし、そのなかから3,000万プレーヤーを輩出したいというのが当面の目標ですね。そのためには報酬体系を見直して3,000万円に届く仕組みをつくらないといけない。頑張れば誰でも到達できる目標として1,000万円、3,000万円を提示すること。広い意味では、これこそ究極の福利厚生だと思います」（和田代表）。

【データ・マックス編集部】

＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：和田　克之　
所在地：北九州市小倉北区浅野2-17-38
設　立：1994年11月　
資本金：4億6,713万円
ＴＥＬ：0093-513-3338　
ＵＲＬ：https://www.e-conduct.co.jp