竹原信一氏、阿久根市議再選。考え方に変化
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4月の統一地方選後半戦、阿久根市議選で2,371.899票を獲得しトップ当選を果たした竹原信一氏。市長時代には賛否両論渦巻くなか注目を集めてきた。現在取り組んでいる活動を取材するなかで、支援面での課題が見えてきた。
支援者づくりに課題
竹原氏の支援者は、「ゼロからの組織づくりになる」と語る。5年前、リコールを受けての出直し市長選挙時の支援者の勢いは凄まじいものがあったが、今はその時ほどの勢いはないということだった。一つには、選挙時の組織編制などで紆余曲折があった。組織のなかで、竹原氏との間に距離ができてしまった市民が出てきた、とある支援者は振り返る。また、立候補などで調整がうまくいかなかったことなどがあり、同志の阿久根市議とも溝ができた。
また、市民へのアプローチでも課題を抱えている。ビラを渡すと期待の声を返す市民がいる一方で、「竹原」という名前だけで拒否反応を示す市民もいる。理由をたずねると、「(竹原氏は)人の悪口を言う。今の市政のままが大人しくていい」という返答だったそうだ。「現市長批判のパフォーマンスではなく、竹原さんが調べ、判明したことを載せています」と説明しても、ビラを受け取ってもらえない。「国会の紛糾には興味を寄せるのに、竹原さんが問題を追及すると『悪口』で片づける人がいる」と支援者は嘆く。
竹原氏の選挙に初めて携わった際、「様々な選挙を見てきたが、こんなにクリーンな選挙があるのか」と驚いたという支援者は、「純粋に市民の思いや願いだけで市長になった人物は竹原さんが初めてじゃないかと思う。どうやったら(竹原氏の人物を)市民にわかってもらえるか」と頭を悩ませている。
「知っても変わらない」日本人
市議会の休会中、竹原氏は市役所を訪れ、資料を読んで疑問点を職員に尋ね、その調査結果を載せたビラを配布するという活動をしている。当選直後に語った「住民に現状を知らせる」活動だ。竹原氏は、「議員の仕事は、市民のためになることをすること。報酬を得る以上、それに見合った仕事をしなければならない」と語る。
また、竹原氏は投票箱の管理について、公職選挙法違反が常態化していると指摘した。同法の施行令第43条には、投票箱閉鎖の際に、その鍵の1つを投票立会人が持ち帰らねばならないと記されている。しかし、竹原氏が調査したところではそのルールが守られていなかったという。竹原氏は、「票がいくらでも操作可能になっているということを示している。民主主義の原点である選挙の規則さえ徹底されておらず、根本から崩れている」と指摘する。
調査して疑問点があれば突き止める、竹原氏の姿勢は一貫して変わらないが、最近になってある考え方が変わったという。「(市民が理不尽な状況を)知ったら変わるはずだと思っていたが、知っても変わらないと気づいた」と語った。それには「物事を集団的に考え、自分自身で価値判断を下すことができない」という日本社会の特質に原因があり、「変わるためにはその必然性のある状況にならなければならないだろう」とした。
竹原氏は、自身の行動原理を「おかしいと気づいた以上、やらないと後ろめたいから」と語る。利権などとは無縁で、「市民にとって有益である行政本来のあり方」を追求してきた竹原氏。今年4月の阿久根市議選では、選挙活動の必要性を認識し、はじめて車上運動員とともに選挙カーで市内を走った。行政のチェック機能を果たす議員本来の仕事だけではなく、自分自身を市民に広報し、支援者を拡充していくことも重要だ。
阿久根市を変えていくうえで、課題は山積している。そのなかで竹原氏が今後どのように状況に対応して活動していくのか、注目される。
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