旧統一協会と日本政治の闇
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を抜粋して紹介する。今回は、「日本の戦後政治に深くかかわった統一協会を徹底的に排除すべき」と訴えた10月19日付の記事を紹介する。
内閣支持率が3割を割り込んだ岸田文雄内閣。
支持率回復の兆しは見えない。
7月8日に安倍元首相銃殺事件が発生。
7月10日に参院選が実施されるまで事件背景は隠蔽された。
選挙後に旧統一協会が深く関わる事件であることが明るみに出された。
このなかで岸田首相は7月14日に安倍元首相国葬を実施する方針を示した。
聞き流すだけで何でも「検討する」と繰り返すだけ。
何も決めない「検討使」が初めて即断即決で国葬実施を決めた。
これがターニングポイントになった。
国葬に正当性がなかった。
1.法的根拠がない
2.思想および良心の自由を侵害する
3.財政民主主義に反する
4.法の下の平等に反する
5.安倍元首相が旧統一協会と深い癒着関係にあると見られる
の5つの要因が提示された。
岸田内閣は内閣府設置法が国葬実施の根拠になると主張したがこれを正当と捉える専門家は少数。
1967年に吉田茂元首相の国葬が実施されたが、このときに法的根拠がないことが問題とされた。
政府は答弁で法的根拠がないことを認め、何らかの基準を定めることが必要としている。
政府の内部文書で内閣府設置法が国葬の法的根拠になるとの見解が示されているとの説が流布されたが、これは事実でない。
政府内部文書は過去に吉田茂元首相の国葬が実施されており、仮に同様の措置が取られる場合、内閣府設置法の規定により、内閣府が事務を所掌することになることを示しただけ。
内閣府設置法が国葬実施の根拠になる事実は示されていない。
内閣府設置法は事務の所掌を定める手続法であり、国葬の実施可否を定める根拠法ではない。
日本国憲法は国会を国権の最高機関とし、国会が国の唯一の立法機関であると定めている。
法的根拠のない国葬を実施するのであれば、最低限、国会審議に付し、国会の決議を経る必要があった。
岸田首相は民主主義の正当なプロセスを無視して内閣の独断で国葬実施を決定し、強行した。
「適正手続き」を欠いた岸田首相の行動は憲法の規定に反するもので、憲法が政治権力の暴走を抑止するという「立憲主義」「法の支配」を破壊するもの。
岸田首相は誤りを認めて国葬実施方針を撤回すべきであったし、撤回は可能だったが、正当な批判の声に「耳を貸さず」不当な施策を強行した。
「聞く力」は存在しない。
もう1つの重大な問題は安倍元首相自身が旧統一協会と深い癒着関係にあったと見られること。
この事実関係を明らかにすることが必要不可欠。
岸田首相は「本人が亡くなられているいま、調査には限界がある」と繰り返す。
「調査には限界がある」のは事実かもしれないが、これを踏まえて、
「限界まで調査する」
のが当然の対応。
ところが、岸田首相は、
「限界があるから一切調査しない」
としている。
これに納得する主権者国民はいない。
岸田内閣は宗教法人法の規定に則り、旧統一協会に対する「質問権」を行使する方針を示した。
しかし、結論を出すまでの期限を示さない。
年が明ければ通常国会があり、来春には統一地方選が予定されている。
国政選挙が空白の3年を迎えているいま、最大の難関になるのが来春の統一地方選だ。
統一地方選まで結論を提示するのを先送りする戦術にしか見えない。
旧統一協会と深い関係を有してきた閣僚や党幹部が温存されている。
安倍元首相と旧統一協会との関係の調査が行われる方針が示されない。
旧統一協会に対する解散命令請求が決定されない。
要するに何もしていない。
「何もし内閣」の岸田内閣を厳しく問い詰めるのは野党の責務。
野党のやる気と実力が問われている。
※続きは10月18日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「旧統一協会と日本政治の闇」で。
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