トラス英首相辞任 有効な経済政策を実行できず
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イギリスのリズ・トラス首相が20日、辞任を表明した。ボリス・ジョンソン前首相の辞任を受け、一ケ月半前の9月6日に就任したばかりで、首相としての在任期間は同国史上最短となる。
トラス首相は、9月5日に行われた保守党党首選挙に大幅減税を公約として当選。しかし、ウクライナ危機などを受けて燃料価格などが高騰し、市民の生活への不安が高まるなか、法人税率引き上げ凍結などの減税策が市民や市場などからの支持を得られず、ほぼ全面的に撤回に追い込まれた。今月14日には主要閣僚である財務相を更迭するなど混乱を招き、直近の支持率は7%、不支持率が77%(英国調査会社ユーガブ、18日発表)となっていた。
保守党は来週には新たな党首を選出する予定。後任の保守党党首・首相には、ジョンソン前首相や前回の党首選挙でトラス首相と争ったスナク元財務相の名前があがっている。総選挙が約1年半後の2024年5月に迫るなか、保守党自身の支持率も21%(同)と低下し、最大野党の労働党(54%)に大きく差を付けられている。次の首相の課題は経済対策、党勢の回復、ウクライナ危機をめぐる国際協調など山積している。
【茅野 雅弘】
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