レバノン人とシリア難民の合作ワイン発売～ユナイテッドピープル

　「人と人をつないで世界の課題解決をする」をミッションに掲げ、映画の配給・宣伝・制作を行うユナイテッドピープル（株）は、昨年からワイン事業も手がけている。11月9日からはレバノンより自社輸入した、レバノン人とシリア難民が一緒につくるピースワインを発売した。以下、同社の関根健次代表からのメッセージを紹介する。

ストーリー

　アブダラ・リヒとワイナリーのオーナー、エディー・シャミが初めて会ったのは2011年のことです。アブダラは、シリアの戦争で難民としてレバノンに逃れてきたのです。彼らは共通の友人の紹介で知り合いました。一緒にサンジョヴェーゼとカベルネを植えたのが最初の仕事でした。

　彼はエディーと出会うまでワインづくりは未経験でした。エディーが指導し、徐々に技術を習得していきました。メルセルワインの設立以来、ワインづくりの責任者であるエディーの元、アブダラはアシスタントワインメーカーを務めています。

　17年、アブダラはエディーに将来シリアに帰ってワイナリーを設立したい、自分のワインをつくりたいと夢を語りました。そこで、2人は一緒に「ダー・リヒ・ハナン」をつくることにしたのです。このワインの売上の一部は、アブダラのシリアでのワイナリー設立資金となります。

　アブダラのアイデアで、カベルネ・ソーヴィニヨン（60％）、マルベック（29％）、サンジョヴェーゼ（11％）という品種を選んでブレンドし、独特の香りを持つワインを完成させました。

【茅野　雅弘】