アビスパ、敗戦後の勝利は強さの証
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J2のアビスパ福岡は7月18日、ホームのレベルファイブスタジアムに開催された2015明治安田生命J2リーグ 第24節大宮アルディージャと戦った。結果、アビスパは3-1のスコアで敗れた。8,179人(Jリーグ公式記録より)の観衆の中でアビスパは、守備的な陣形でゲームをマネジメントしながら、好機を見据えた積極的な攻撃で得点のチャンスを作り出していたものの、大宮のFWの播戸竜二選手に前半でハットトリック(28、37、39分)を献上。43分にはアビスパのFW金森健志選手が3試合連続となる得点を決めて3-1と前半を折り返す。
後半は、互いに得点のチャンスを作り出すものの、ねばい強いディフェンスを突破することができずに試合終了。大宮の播戸選手は、1998年にガンバ大阪に入団して以後、幾多のクラブで経験を積み、今も第一線のFWプレイヤーとして活躍する35歳のベテラン選手だ。過去には日本代表にも選ばれたこともある。ゴールへの嗅覚は、Jリーグの中でもトップクラスという評が聞かれるなど、ゴール前においてはアビスパにとってもっとも危険で徹底的にマークするべき選手であることは分かっていたのだろう。ややディフェンシブな陣形を取っていたことからも、得点力の高い大宮に対する準備を入念にしてきたことがうかがえた。それでも、そのディフェンスを破られゴールを決められたのは、まだまだ改善の余地があるということだ。
一方で、アビスパでは気鋭の金森選手が3試合連続で得点を決めた。これはとても意義深いことだと思われる。若手がチームをけん引し、存分に実力を発揮できるのは、チームが進化している証である。ベテランと中堅が若手を支えて、日頃のパフォーマンスを披露できるような雰囲気をつくるなどスムーズなマネジメントがなされているように感じられるのだ。金森選手は、DFの亀川諒史選手とともにU-22日本代表に選出させるなど将来は、A代表も視野に入る将来性が高い選手の一人である。若手が実力を発揮し続けることは、チームにとって総合力が高まっていくのと同じ意味を持つ。
井原正巳監督は試合後のコメントで「首位の大宮が相手ということで、多くのサポーターが駆けつけてくれました。そのサポーターのみなさんに勝利をプレゼントするつもりではあったのですが、結果を出せなかったことは非常に残念に思います。申し訳ない気持ちです」と述べている。
申し訳ないと思うことはない。前半で3-0の劣勢の中で、得点を狙いに行く姿勢とパフォーマンスが観られたことは、次節以降の戦い方に直結していくだろう。試合の流れによっては、選手の中であきらめムードがまん延しズルズルと引きずった結果、大量得点を奪われるケースもJリーグでは散見される。今期のアビスパには、それが一切ないのである。
その証は、22日に行われた第25節京都サンガF.C.戦。アウェー(京都西京極)での試合を、2-1で勝利したことである。前半15分に先制されながらも、アビスパは25分(FW酒井宣福選手)、28分(MF末吉隼也選手)に得点し逆転。劣勢からの見事な逆転は、常に最善を尽くす今のアビスパの姿勢を映している。これは、本当に大きな進化である。まだまだ厳しいスケジュールの中での戦いは続く。それでもアビスパは、選手全員一丸となって全力で戦い続ける。【河原 清明】
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