2024年12月22日( 日 )

「理想の住まいへ飽くなき挑戦」を続け、マンション分譲を中核とした総合不動産業へ(後)

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(株)コーセーアールイー
代表取締役社長 諸藤 敏一 氏

 自社ブランド「グランフォーレ」シリーズを中心に、福岡都市圏を中心とした九州各県および首都圏でマンション事業を展開する総合デベロッパーの(株)コーセーアールイー。福岡の地場デベロッパーのリーダーとして業界を牽引しながら、昨年8月に創業30周年の節目を迎えた同社の代表取締役社長・諸藤敏一氏に聞いた。 

(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役 児玉 直)

大手が牛耳る東京・関東 福岡・九州でも土地争奪戦が

(株)コーセーアールイー    ──御社は東京・関東エリアでもマンション供給を行っていますが、こちらの状況はいかがですか

 諸藤 まず東京については、今後はほぼ無理だと思っていますし、東京以外の関東エリアでもかなり厳しいと見ています。というのも、東京・関東エリアではマンションデベロッパー大手7社(メジャーセブン)がかなり幅を利かせているからです。なかでも、旧財閥系で、自グループ内に銀行をもっているようなところは、倒産する前の企業から工場などをその銀行が引き取り、自分のところのグループのデベロッパーにその工場跡地の開発をやらせたりします。つまり、土地の情報を囲い込んで外に出さないようにしているので、我々のような東京・関東以外の外様デベロッパーが進出しようとしても、太刀打ちできないのです。

 大阪本社のデベロッパーA社なども東京・関東エリアへの侵攻を画策していますが、同じようにうまくいっていませんね。また、同じく大阪本社のデベロッパーB社も、当初は建売やマンションの開発をやろうとしていたみたいですが、今では情報が出てこないのがわかっているので、関東エリアでも主に地方のロードサイドにおけるロジスティクス施設の開発に注力しているようです。

 ──東京・関東エリアはなかなか厳しいようですね。基盤となる福岡・九州エリアはいかがですか。

 諸藤 今のところ福岡・九州エリアはまだまだ大丈夫ですが、こちらも安穏とはしていられません。というのも、先に述べたメジャーセブンなどの中央大手の進出も増えてきており、当社でも以前のようには土地を買えていないからです。来期以降についても販売活動よりも、その先を見据えた仕入活動のほうがより重要になってくると考えています。当社としても、自信をもってお客さまに提案できるマンションの開発を継続していくためにも、新たに開発可能な土地情報に目を光らせながら、仕入活動に注力していかねばなりませんね。 

30周年を超え、この先も堅実経営で持続的な成長を

 ──御社は昨年(22年)8月に創業30周年の節目を迎えられました。最後に、30周年を超えての今後の抱負などをお聞かせください。

 諸藤 当社は1992年8月の創業以来、経営理念に掲げた「理想の住まいへ飽くなき挑戦」に沿って、福岡都市圏を基盤としてマンション分譲事業を展開してきました。これまでの30年間を振り返ると、時代とともに住環境や資産価値に対するお客さまのニーズは多様化および変化してきていますが、私たちは怠りなく感性を研ぎ澄ませることで、全力でその理想の実現に取り組んでまいりました。その結果、当社は07年の福岡証券取引所への上場を皮切りに、12年のJASDAQ上場を経て、16年には東京証券取引所第二部、そして17年には東京証券取引所第一部へ上場と、堅実にステップアップしてきました。また、この間に業容の拡大とともに、上場企業としてふさわしいコンプライアンス体制、コーポレート・ガバナンスは堅固なものとなりました。

 私たちが手がけているマンション開発の本質は、お客さまの住生活を充実させるのはもちろんのこと、街並みを変え、地域社会を活性化し、当社と連携するさまざまな事業者の経済活動を刺激する複合的なプロジェクトです。これまでにリリースしたマンションに同じデザインのものはなく、1棟1棟が私たちのベストワークであると自負しております。

(株)コーセーアールイー 代表取締役社長 諸藤 敏一 氏
(株)コーセーアールイー
代表取締役社長 諸藤 敏一 氏

    当社は昨年30周年の節目を迎えましたが、次代においても成長し続ける企業となっていくためには、人材の育成・登用や事業エリアの拡大、不動産関連事業の創出、業務の効率化、マーケティング力の向上など、取り組んでいかなければならない課題は山積しております。その1つひとつの解決に向けて、全社グループ一丸となって取り組んでいかなければなりません。

 これからも、これまで通りあまり高望みも背伸びもすることなく、堅実経営で持続的に企業価値を向上させることで、ステークホルダーの皆さまのご期待に応えていきながら、マンション分譲事業を中核として事業領域を広げ、総合不動産業への成長を目指してまいります。

(了)

【文・構成:坂田 憲治】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:諸藤 敏一
所在地:福岡市中央区赤坂1-15-30
設 立:1992年8月 
資本金:15億6,245万円
売上高:(22/1連結)112億8,889万円
URL:https://www.kose-re.jp


<プロフィール>
諸藤 敏一
(もろふじ・としかず)
1955年6月、福岡市生まれ。九州共立大学経済学部卒業。(株)すまい取締役を経て、92年8月に(株)コーセーを創業。2005年1月に(株)コーセーアールイーに商号変更した。07年に福岡証券取引場に上場し、12年4月の大証JASDAQ(市場統合にともない13年7月に東証JASDAQ)、16年9月の東証二部を経て、17年10月に東証一部(22年4月に東証スタンダードへ移行)上場をはたす。社外では(一社)九州住宅産業協会の理事長も務め、業界の発展に貢献した功績から14年には「春の黄綬褒章」を受章。現在も福岡のデベロッパー業界を牽引し続けている。

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