アビスパ、今シーズンは惜敗スタート 神戸1-0福岡
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サッカーJ1リーグアビスパ福岡は18日、アウェーのノエビアスタジアム神戸でヴィッセル神戸とリーグ戦第1節の試合を戦った。
アビスパ福岡、今シーズンの開幕戦である。昨シーズンは新型コロナの影響で戦線離脱する選手が多く、なかなか陣容が整わずに残留争いを強いられる苦しい一年だった。「J1定着」をはたし、J1常連として戦うためのシーズンがいよいよ始まった。
アビスパのスターティングメンバ―には、2人の新加入選手が名を連ねた。6年ぶりのアビスパ復帰となるDF亀川諒史(前・横浜FC)、そして昨季のアウェーFC東京戦で強烈なミドルシュートを叩き込まれた記憶も新しいMF紺野和也(前・FC東京)である。昨季まで主力として活躍していたDF志知孝明(現・広島)、MFジョルディ・クルークス(現・C大阪)の穴を埋める活躍が期待される。
試合序盤を動かしたのは、そのMF紺野だった。右シャドウの位置に入った紺野は、後方のDF湯澤聖人と連携した攻め上がりを見せる。一対一で抜き切るドリブルテクニックでゴールに迫ると、左足からの効果的なクロスや鋭いシュートを放ち、神戸ゴールを脅かした。対する神戸は昨季の守備の要・DF菊池流帆とDFマテウス・トゥーレルを欠きながらもアビスパの迫力ある攻撃をしのぎ、前線で待ち構える元日本代表FW大迫勇也にボールを送ってカウンターを試みる。大迫から始まる神戸の攻撃を、GK村上昌謙、DF奈良竜樹らアビスパ守備陣は身体を張って跳ね返す。両チーム一歩も引かない攻防を繰り広げ、前半は0-0で折り返した。
しかし後半、ゲームを決定づけたのは神戸だった。後半途中からピッチに立った神戸FWジェアン・パトリッキは、巧みなドリブルと一瞬のスピードでアビスパの右サイドを何度も切り裂く。MF紺野、DF湯澤はこのパトリッキへの対応に手を焼き、徐々にアビスパが押し込まれる展開が増えていく。そして70分、神戸は右サイドのMF佐々木大樹がクロスを上げる。これはDF宮大樹がヘディングで阻むが、このボールがゴール前に詰めていたFWパトリッキの前に落ちてしまう。パトリッキは落ち着いてゴールに流し込み、神戸が決定的なゴールを奪った。終盤、アビスパは新戦力の元日本代表MF井手口陽介、FW佐藤凌我らを投入して反撃を試みるが、試合はこのまま終了。2023年シーズンのアビスパは、残念ながら黒星スタートとなった。
試合後の会見で長谷部茂利監督が「無得点では勝ち点を取るのは難しい」と語ったように、やはり「攻撃」が今シーズンの重要テーマになる。そういう意味では、前半にMF紺野が見せた躍動は大きなプラス材料になるだろう。右サイドにとどまらず、中央や逆サイドにも進出して攻撃に厚みを加えるプレーは、間違いなく効果的だ。そして開幕戦では出場時間が少なかったFW佐藤凌我、MF井手口陽介にも期待できる。J2で2年連続13ゴールを挙げたFW佐藤、日本代表経験もあり、攻守にわたるハードワークが持ち味のMF井手口はともに福岡出身。地元アビスパで活躍し、さらなるステップアップを目指す彼らのプレーに、大きな期待を寄せたい。
次節はホーム開幕戦。2月25日(土)、セレッソ大阪をベスト電器スタジアムに迎えるホームゲームで、今季初白星をつかんでほしい。
【深水 央】
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