2024年12月22日( 日 )

今季初勝利は博多のプリンス・金森の一発! 福岡 2-1 C大阪

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サッカー イメージ   サッカーJ1リーグアビスパ福岡は25日、ホームのベスト電器スタジアムにセレッソ大阪を迎えて第2節の試合を行った。アビスパにとってはホーム開幕戦となるこの試合、相手のC大阪には昨季までアビスパの攻撃をリードしたMFジョルディ・クルークスが在籍。クルークスの「悪魔の左足」を完璧に封じたアビスパの堅守が光る一戦となった。

 この試合、アビスパのゴールを守るのは元C大阪のGK永石拓海。左のウイングバックには加入後初出場・初先発となるDF小田逸稀が入った。C大阪の先発メンバーにはMFクルークスに加え、2016~17年にアビスパ福岡に在籍したMF為田大貴が名を連ね、両チームともになじみの多い顔が並ぶゲームとなった。

 前半をリードしたのはアビスパ。開幕戦で躍動したMF紺野和也がまたしても躍動する。同じ右サイドのDF湯澤聖人とのコンビネーションでC大阪陣内深くに攻め込み、FWルキアン、FW山岸祐也にクロスを供給。決定機には至らないものの、ピッチを縦横に切り裂く紺野のドリブルにベススタが何度も沸いた。

 アビスパが攻勢を保ったまま前半が終わり、47分。FW山岸が相手のパスミスをかっさらい、ペナルティエリアに走りこむFWルキアンにパス。ルキアンはシュートストップ体勢に入るC大阪GK清水圭介を冷静に確認し、さらに走りこんできたMF前寛之にパスを送る。MF前が無人のゴールに流し込み、これがアビスパ福岡の2023年初ゴールとなった。前線からの守備で奪ったボールをショートカウンターで仕留める、アビスパが目指す1つのかたちがうれしい先制ゴールとして結実した。

 だがタレント軍団C大阪も負けてはいない。59分、ドリブルでアビスパ陣内に侵入したDF毎熊晟矢が中央にボールを送ると、これをFW上門知樹が収める。FW上門が左足を振り抜くと、このシュートはゴール右上隅に飛び、GK永石のジャンプもおよばず豪快にゴールに突き刺さった。

 「今シーズンも、『善戦はしたが勝ちにはつながらず』というゲームが続くのか……」と意気消沈しかけたサポーターを救ったのが、博多のプリンス・MF金森健志だ。79分にMF紺野に代わってピッチに入ると、精力的なスプリントでC大阪DF陣を追い回す。そして試合終了間際の88分。同じく途中出場のDF前嶋洋太が左サイドからクロスを上げると、ゴール前に矢のように走りこんできた金森がドンピシャリのヘディングシュート。値千金の決勝ゴールを叩き込んだ金森は、そのままゴール裏のアビスパサポーターのもとに走り、歓喜の瞬間を分かち合った。

 同じサイドアタッカーのMF紺野が脚光を浴びる一方で、その割を食って出場時間減が懸念された金森。だが、ここ一番で最高の結果を出してくるあたりは、まさに博多の千両役者の面目躍如といったところ。今シーズン、金森の奮起に大いに期待したくなる、そんなホーム開幕戦となった。

 表の千両役者が金森だとすれば、影でこの勝利を支えたのがFWルキアンとDF小田。ルキアンは先制ゴールのアシストはもちろんのこと、終盤まで攻撃・守備の両面でまったく手を抜かないプレーを披露。スプリント回数26回はもちろん両チーム最多だ。そしてDF小田。代わって入ったDF前嶋が決勝のクロスを上げたことで印象が薄れがちだが、MFクルークスを完璧に抑えた守備、さらに何度もゴールに迫った攻撃は迫力満点。レギュラーを勝ち取るにふさわしいパフォーマンスを見せてくれた。

 次節、アビスパはホーム戦。柏レイソルとの第3節は、3月4日(土)午後3時キックオフだ。いよいよ春本番が近づく3月、ベススタで一足早いお花見ならぬ「白星見物」としゃれこみたいところだ。

【深水 央】

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