「市民のために」竹原信一氏の活動に進展
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市民交流センター建設計画
竹原信一阿久根市議は、6月の取材時に議員の仕事を「市民のためになることをすること」とシンプルかつ的確に示した。いまも自身で調査し、阿久根駅事業や阿久根市民交流センター建設計画に対するビラを作成、市内各戸に配布してまわる。「住民に市の現状を知らせる」ために行動する竹原市議のその後の活動の進展など現況を追った。
配布するビラは、阿久根駅事業や阿久根市民交流センター建設計画から、市の財政状況、ペットボトルなどのリサイクル、太陽光発電などへと、「無駄な税金の投入」を指摘するものへと拡大していた。
次々に市政問題を指摘するビラが各戸に配布される状況に、市が反応を起こした。各区長宛に「各戸配布されているチラシに関する事務事業について」を配布し、ビラを読んだ住民からの問い合わせに対する対応を周知させた。現在、阿久根市内各所では市民交流センター建設計画について反対を訴える看板が見られる。以前より竹原氏は「建設予算25億円を31億円に増やした。もっと使うかもしれません」としたビラを配布していたが、結局その後建設予算は37億4,000万円に膨れ上がった。市が区長宛に配布した資料によれば、当初は市民交流センターを20億円程度、併設する図書館を5億円程度と予定していたが、人件費や資材費の高騰に加え、設計業務や地質調査などの委託料、備品購入費を加えて37億円を超えた、ということだ。約110億円の財政規模である阿久根市において、膨大な額を投入し、維持も含めて市民に相当な負担を強いる事業でありながら、明らかにずさんだ。
この交流センター建設について、旧建設省で赤坂迎賓館改修工事の現場トップを務め、現在阿久根市に住むA氏は、市役所に現況を尋ねたが、情報は何も提示されなかった。「発注サイドが素人ばかりでプロがいなければ、発注して提示される予算が、その資材や設計から高いのか安いのかどうかすら検討できません」とA氏は語る。「計画的保全には、最初にどう作ったかが一番重要」とするが、現段階での設計なども明らかにされず、どんなものが出来上がるのかもわからない。
また、他に山積みとなっている福祉などの行政課題を置いてまでやる必要があるのか、まずその段階からおかしいのではないかとA氏は言う。この主張に反対する市民がどれだけいるだろうか。「目の前で」市民のためになることを
「市民のために」を第一とする竹原氏が新たに行っていたのは、ボロボロになったある住民の家の掃除・障子の貼り換えや、台風15号に備えて市営住宅の窓の隙間の補強、という活動だった。市役所は市民交流センター建設に37億円以上をかける目論見だが、天井がはがれ、窓に隙間がある市営住宅の補修はしない。「目の前で市民のためになることをする。でないと心が腐る」と竹原氏は話す。「掃除をすると、自分の気持ちも綺麗になって良くなる」。その家の住人も、共に掃除をするなかで気力を取り戻していったようだ。
一方、市議再選後初となる、6月議会の一般質問のなかで、竹原氏は議会や集まった傍聴者に対し「それぞれが自分の頭で考える『大人』にならなければならない」と述べた。誰か優秀な人物に自らの思考を委ねるのではなく、自分で受け止め、考えることこそが重要だと訴えた。選挙活動中にこのまま「住民に現状を知らせても何も変わらない」と気づいたがゆえの提言だった。
先月30日の安保法案反対デモでは、約12万人が参加したという。「政治に冷たい」という印象を持たれるような日本人だったが、ようやくその山が動きつつあるのかもしれない。現状について知るだけでなく、ひとりひとりが社会の主体であるという意識をどれだけ持てるか、結局はそこにかかっている。竹原氏の阿久根市へのアクション、それに呼応する市民の動きに、今後も注目される。
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