博多座９月公演「はかた恋人形」、若者の心も魅了する

2015年9月4日 16:48

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　博多座自主制作９月公演第１部「はかた恋人形」の通し稽古が９月３日に行われた。G２制作演出の同公演は、80分の一幕もの。時間の流れが交錯する回想ストーリーが絶妙に構成されており、物語を博多座で芝居を観るのは初めてという若い世代も、「オープニングから引き込まれた」「また観たい」と魅入られていた。

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「公演前は地元の人たちから与一さんの逸話をいろいろ聞きました」と石川さん

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石川さんのチャームポイントのホクロも

　「はかた恋人形」は、福岡を代表する実在の博多人形師小島与一（岡本健一）とその妻・ひろ子（石川さゆり）の恋模様を描いたもの。与一とひろ子を強く結びつけることとなった与一作の博多人形「初袷（はつあわせ）」誕生逸話をモティーフに、恋のさや当てや品評会対決など、人情味あふれるドラマを豊富に取り入れた。
　幕が開くといきなり町の人たちが人形師・小島与一を血眼になって探している。意味不明の人形返品、借金の取り立て、与一を庇う弟子たちが入り乱れての乱闘が、与一の愛妻・ひろ子の登場で波が引くように収まっていく。
　「とにかく口論の絶えない舞台だな、と。しかし、誰かの一言で大騒ぎしたりしんと鎮まり返ったりと忙しい人々、感情の爆発を間近で味わえるのは舞台の醍醐味と思います」（20代男性）。
　冒頭で示されたひろ子の魅力は物語全体を貫き、世界に名だたる博多人形師として頭角を現していく与一の物語をしっかりと支える。与一の恋敵である炭鉱王（西岡德馬）と、その妻（高橋由美子）の存在からも目が離せない。
　見所は作品の品評会だ。与一の作った２つの人形は、口下手な彼よりも雄弁に語り出す。「石炭は国を豊かにする、では人形は何を豊かにしてくれるかのう」――炭鉱王の問いかけに与一は答えを出せるのか。

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与一の孫弟子、武吉氏と石川さん

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女同士で意味深な会話

　また通し稽古の前には、石川さゆりさんが、博多人形師小島与一の妻・ひろ子を演じることを記念して、石川さゆりさんをモデルに制作された特製博多人形の贈呈式が行われた。制作は小島与一の孫弟子にあたる、博多人形師武吉國明氏（国指定伝統工芸士・博多人形商工業協同組合理事長）。その出来栄えは、石川さんをはじめとするメインキャストから「ぜひ舞台にも登場させたい！」という熱烈なラブコールが起こるほど見事。
この人形は公演期間中（９月４日～28日）同劇場エントランスで開催される「石川さゆり博多座特別公演記念博多が生んだ伝説の人形師小島与一展」で見ることができる。

【公演概要】

＜公演名＞
博多座九月石川さゆり特別公演
第１部：はかた恋人形（作・演出Ｇ２）
第２部：石川さゆりオンステージ歌三昧（構成・演出Ｇ２）

＜出演＞
石川さゆり、岡本健一、高橋由美子、西岡德馬、ほか

＜公演期間＞
９月５日（土）～28日（月）

＜会場＞
博多座

＜お申込み、お問い合わせ先＞
博多座電話予約センター
TEL：092‐263‐5555（午前10時～午後６時）