2024年12月23日( 月 )

福島第一原発1号機 原子炉の円筒形土台 ほぼ全周で損傷

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福島自然環境研究室 千葉 茂樹

 福島原発事故の記事を寄稿していただいている千葉茂樹氏(福島自然環境研究室)より、「福島第一原発1号機 原子炉の円筒形土台 ほぼ全周で損傷」との報道に関するコメントがあったので共有する。なお、以下の文面は、千葉茂樹氏が原発事故研究グループ内に送ったメールを再構成したもの。

 以下のニュースのような憂慮すべきことが、発表されました。

福島 NEWS WEB
福島第一原発1号機 原子炉の円筒形土台 ほぼ全周で損傷

FTV(福島テレビ)
福島第一原発1号機 東電「耐震強度が向上する可能性」 圧力容器の土台中心部の構造物を確認

KFV(福島放送)
東京電力福島第一原発1号機ペデスタル内部のコンクリート全周で消失か

福島民報
原子炉土台、全周損傷 東京電力福島第1原発1号機 東電が画像公開

 小出裕章氏によれば「このようなペデスタルの破損のことは1年も前にわかっていたこと」とのことです。これまでの東電の情報発信を見ますと、「まずい情報は小出しに」という傾向が感じられます。東電の事故に対する安易な考えが見えます。

楽観的な見通し

 私は、このような事故の場合「最悪の事態」を想定し、事前の準備をしておかなければならないと思います。今後が極めて心配です。今、原子炉を支えているペデスタルの鉄筋がさらに腐食し、原子炉が倒壊した場合に、どのような対応を取るのでしょうか。

 鉄筋は大量の放射線を浴びていますし地震のダメージもありますので、極めて深刻と思います。私が以前に「重大な局面」と書いたのは、このことです。なお、小出氏の1月の三春講演でもペデスタルの損傷について触れられています

 また、以前に「原発事故の対応の推移は水俣病に似ている」と書きました。次のURLリンクのように、水俣病の時と同じような状況を思わせる記事がネットに出ていました。しかも、著者は福島県の方です。


<プロフィール>
千葉 茂樹
(ちば・しげき)
 福島自然環境研究室代表。1958年生まれ。岩手県一関市出身。専門は火山地質学。2011年3月の福島第1原発事故の際、福島市渡利に居住していたことから、専門外の放射性物質による汚染の研究を始め、現在も継続している。

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