春日市は周辺に比べ住宅条件が未整備 市が人口増減を調査・分析
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春日市はこのほど、「春日市人口増減要因調査分析業務 分析結果報告書」をまとめ公表した。同市の人口は2015年をピークに減少に転じており、なかでも「0~4 歳」「25~29 歳」「30~34 歳」の人口減少が顕著だという。報告書では、子育て世代などのターゲット(20~50才代前半)人口の需要に適した住宅条件が、他の主要自治体(福岡都市圏)と比べ十分に整備できていないと指摘している。
報告書は今後の人口減少社会到来に向けた施策を検討するためのもので、インターネット調査なども実施。それによると、主要自治体(福岡市南区、大野城市、筑紫野市)を引っ越し先として選ぶと回答した人のうち、春日市をふさわしい引っ越し先として選ばなかった理由として、「公共交通の利便性」および「家賃・地価が高い」ことが挙げられていた。地価調査では、春日市は福岡市南区と同様に地価相場が高く、駅から離れた郊外型の地価も高い。
こうしたことから、「ターゲットとなる20〜50代前半の人口が、子どもが増え、新たな住宅へ引っ越しする際、春日市は、求めるニーズ(公共交通の利便性、地価・家賃が安い)などの希望条件にあった物件が少なく、ニーズにあった住宅を十分に供給できていない」ことが、春日市の課題であると結論づけている。
住みよさには高い評価
一方で、「春日市に居住する回答者の住みよさ度は他自治体と比べ高い傾向にあり、特に子育て(子育て支援・教育)に関する住みよさ度は高く評価されており、子育ての環境がマイナス要因になってはいない」とも指摘。とはいえ、他地区の居住者への認知が低いため、なかでも「福岡市との差別化のできる春日市のメリットを付与した情報発信が必要」としている。
調査結果から導き出されるこうした課題の解決策として、報告書は、高齢者が所有する不動産を流動化し子育て世帯へ供給するなどの施策を通じた「ターゲット世代のニーズにかなう住宅供給の維持・拡大」を提案する。このほか、「『子育てしやすいまち』のブランドの効果的な訴求」や「福岡市との差別化を図る子育て支援策のPR」ができるよう、他自治体の事例を挙げつつ、独自性のある取り組みを模索していく必要性も指摘している。
【田中 直輝】
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