「街の未来」をつくる北九州の総合不動産企業
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(株)アンサー倶楽部
代表取締役 三谷 俊介 氏「お客様の望む答え(ANSWER)」を提供するというスローガンを社名に冠し、北九州市を中心に不動産の仲介や賃貸管理、売買などを手がける(株)アンサー倶楽部。「街の未来づくり」を視野に入れながら事業を展開するほか、(一社)北九州中小企業経営者協会の会長も務めるなど、地元・北九州の発展のためにも尽力している同社代表取締役・三谷俊介氏に話を聞いた。
各事業は堅調に推移も、上場&福岡進出の効果はこれから
──2022年1月に、親会社の(株)アンサーホールディングス(以下、アンサーHD)が東京証券取引所「TOKYO PRO Market(東京プロマーケット)」に上場をはたされました。事業を進めるうえでの上場メリットは、何か感じられているのでしょうか。
三谷 上場して約1年半が経ちますが、事業と直結するような上場メリットというより、間接的な効果を感じています。もともと東京プロマーケット市場への上場は、資金調達などの事業に直結することを目的としたものではなく、第一には信用・知名度の向上を狙ってのものでした。おかげさまで当初の予測通り、県外を含めたいろいろなところから、さまざまなお話をいただく機会―たとえば建売の業者とかメーカーにしても、電子契約とかの業者さんにしても、そういう数は増えましたし、M&Aの話もいただくようになりました。
──アンサーHDグループの中核企業である(株)アンサー倶楽部では、不動産の仲介や賃貸管理、売買などを手がけておられますが、現況についてはいかがですか。
三谷 当社では総合不動産企業として、不動産の売買仲介や賃貸仲介、賃貸管理、買取再販などのほか、戸建の建売やリフォーム・リノベーション、宅地分譲、資産活用、相続コンサルティングなどの住宅関連を中心とした多岐にわたる事業を展開しております。
不動産売買の仲介件数も堅調に推移するほか、保有していた販売用不動産についても計画を上回るペースで販売できております。また賃貸管理の管理戸数も徐々に増えております。現時点では約5,800戸ですが、24年6月期には7,000戸くらいまで増加することを見込んでいます。戸建の建売も、現在は北九州エリアを中心として年間4~5棟くらいですが、今後は10棟以上と一気に増加してくる気配があるなど、各事業とも現況は概ね好調です。
当社では、企業スローガンとして「街を創る。人を創る。お客様の望む答え〈ANSWER〉を提供する。」と掲げておりますが、たとえば「空室の多かったアパートを満室にする」「空地を分譲住宅団地にする」「空テナントに人気の飲食店を誘致する」などの事業活動を通じて、街の人口を変え、周辺の商業を変えるなど、地道にまちづくりの一翼を担えるものと思っています。今後も自社の事業活動を通じて「お客さまの未来」とともに「街の未来」をつくっていくことが、当社の使命だと考えています。
──福岡店の出店から約2年が経ちましたが、その効果はどのように感じておられますか。
三谷 イメージ的な効果はあると思いますが、成果という意味での効果は、もっと可能性があると思っています。福岡店は売買仲介と買取がメインで、当社としては「北九州だけでなく福岡にもある」という感じで振り幅が広くなったイメージです。あと2店舗くらい出店して、福岡が計3店舗くらいの体制になれば成果も変わると思いますが、福岡での新規出店のための人材は足りていない状況です。とはいえ、やはりマーケットが全然違いますし、北九州での体制も見つつ、福岡の陣容をもっと厚くしていきたいですね。
意識・感性を変えて福北連携へ
新市長には「空気づくり」を期待──三谷社長は(一社)北九州中小企業経営者協会(以下、中経協)の会長や、(一社)福岡県中小企業経営者協会連合会(以下、連合会)の副会長なども務めておられますが、そうした立場から「福北連携」についてはどのようにお考えですか。
三谷 福北連携については、大いに期待しています。ただし、私も中経協や連合会などの会合でよく福岡にも赴いて意見交換などを行っているのですが、具体的にどういったことで連携していくかについては、まだこれから模索していかなければなりません。福岡と北九州のお互いが「何がやれて」「何をしたいのか」をまず知るために、密にコミュニケーションを取っていくところから始めるのが大事ではないでしょうか。
一方で、できるだけいろいろな都市に出向いて意識や感性を磨くことも大切なことだと思います。北九州は大きな都市ですが、内向き姿勢でなく、外にも目を向け、能動的に動く必要があります。福北連携を実りあるものにしたいと思います。
──最後に、今後の北九州に対する期待の声をお聞かせください。
三谷 北九州の場合は、やはり福岡という大きな都市が近隣にあるため、どうしても比較してしまって市民が自信をなくしてしまっている状況にあるのではないかと思います。ですが、都市のインフラは整っていますし、人口も約92万人いるなど、都市としてのポテンシャルは十分あります。
今年2月の北九州市長選挙では、武内和久氏が「人口100万人復活」を公約に掲げて初当選をはたされました。やはり自治体の首長の一番大事な仕事は、空気づくりだと思います。
どの組織でもトップは当事者意識、当事者責任を強く持っています。多くの情報を持ち寄り、そのうえで思い切った議論をする。最終的にはトップの決断を、皆がチーム一丸で支えることで、チームは強くなり、成長するのだと思います。皆さん「北九州を良くしていきたい」という気持ちは一緒のはずですから、武内市長には「人口100万人復活」と何度も言い続けながら市の方向性を示していただき、皆のベクトルをそろえていく空気づくりに尽力してくれることを一番に期待しています。当社も北九州をさらに魅力と活気あふれる街にしていくため、精一杯尽力していきたいと思います。
【聞き手:永上 隼人/文・構成:坂田 憲治】
<プロフィール>
三谷 俊介 (みたに・しゅんすけ)
1963年9月、北九州市出身。2000年7月に(有)アンサー倶楽部(現・(株)アンサー倶楽部)を設立し、代表に就任。16年6月に(株)アンサーホールディングスを設立し、(株)アンサー倶楽部を連結子会社化。22年1月にアンサーホールディングスを東証「TOKYO PRO Market」に上場した。22年5月に(一社)北九州中小企業経営者協会の会長に就任したほか、(一社)福岡県中小企業経営者協会連合会の副会長など、社外でも数々の要職を務める。
<COMPANY INFORMATION>
(株)アンサー倶楽部
代 表:三谷 俊介
所在地:北九州市小倉北区三郎丸3-12-12
設 立:2000年6月
資本金:6,000万円
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