2024年12月26日( 木 )

「黒子」として安心・安全な交通社会を 24時間体制で支える信号機のプロ企業

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九信電設(株)

設計から土木工事、設置、保守など
一貫した施工体制を構築

新宮町の立花事務所
新宮町の立花事務所

    交通の安全を保つ信号機。当然のように存在しながら、私たちの暮らしに欠かせない社会の「黒子」のようなものだが、その設置や補修工事に日々取り組んでいる事業者、九信電設(株)もそう呼んで差し支えないだろう。福岡県の警察や県・市などの自治体と協力しながら、人々が安心・安全な日常生活を送れるよう、プロフェッショナルとしての強い責任感をもちながら日夜業務に励んでいる。

 信号機工事のほか、事故信号機復旧工事、公共建築付帯電気工事、次世代照明(LEDなど)設置事業などといった事業を展開している。公共工事関連が主となっており、なかでも県警が発注する交通安全電気設備設置工事では県内トップクラスの実績がある企業だ。要するに信号機に関する工事を主としており、具体的には信号機の灯器や制御器の設置、コンクリート柱の設置など土木工事や信号機周辺の自社施工、さらには設計まで一貫して手がけている企業は、県内にはほとんどないという。

 信号がなければ、あるいは信号がスムーズに稼働しなければ事故が起こり、交通インフラの運営が保たれなくなる。そうした意味で安全・安心な社会を日夜守り続ける、欠くことのできない重要な役割を担っている企業といえる。なかでも特徴的なのが、事故信号機復旧工事。交通事故や災害はいつ発生するかわからず、仮に発生した場合、できるだけ速やかに復旧させることが求められる。そうしなければ交通が混乱し、人々の暮らしや経済がスムーズに動かなくなるからだ。深夜に発生した交通事故により信号機を設置した柱が倒れてしまうケースもあるが、その復旧に一晩で対応することもあるという。

台風や水害など相次ぐ災害発生時に、
復旧活動において活躍・貢献

災害時などには緊急対応も行う
災害時などには緊急対応も行う

    福岡県では台風被害が多いが、強風で信号機が破損することなどもあり、そうした際にも緊急の対応が求められる。こうした災害対応も重要な業務の1つだ。近年は地球温暖化の影響で豪雨災害も増えており、たとえば2018年7月の西日本豪雨では、道路冠水や陥没などにより信号機の故障や不具合が多発した。その際に業界全体で復旧作業に取り組んだが、もちろん同社の社員たちが大いに活躍したことはいうまでもない。

  このほか、比較的軽微な事例として鳥が信号に巣をつくり、それが原因で電気回線がショートするなどといったこともあるが、同社ではいずれの事態にも24時間体制で対応している。「社員は県警や自治体の仕事をしていることもあり、常に周りから見られているという自覚が強く、ですので24時間体制の業務に入る当番月には一切お酒を口にしない。そうした社員に非常に頼もしさを感じています」と、同社を率いる黒木善崇社長は胸を張る。同社の設立は1980年(創業は73年)。40年以上の歴史をもち、信号関連事業で交通インフラを支えてきたという実績をもつ老舗企業であることも、社員が会社と業務に誇りをもつ理由となっているようだ。

作業の様子
作業の様子

    黒木社長自身も最近、自らの仕事に誇りを感じる出来事があったという。「今年4月25日に糟屋郡で新設道路『筑紫野古賀線(須恵・粕屋2工区)』が開通しましたが、この事業について当社は信号の設計段階から受注。土木工事についても協力会社と打ち合わせを重ねながら、竣工・開通を迎えることができました。何もないところから始まった、一から取り組んだ事業でしたので、開通時には大変やりがいのある仕事となったと、感慨にふけりました」と語っている。福岡県によるこの事業は、門松交差点の渋滞緩和を目的として行われたもの。同社の業務が、周辺地域の交通や物流の改善、経済の活性化に役立てられたわけだ。

負担軽減や働き方改革の推進、
仕事の魅力発信にも注力

九信電設(株) 黒木善崇社長
九信電設(株)
黒木 善崇 社長

    このように社会への貢献度が高い同社の事業だが、その業務に求められるのはどのような資質なのだろうか。「入社時に必要な資格は電気工事の資格だけです。一般的な電気事業者と同じで、専門的な技術や知識はとくに必要はなく、日常業務で習得できます。ただ、自治体や県警の関係者と協力して業務を行う必要があるという性質上、一般的な職業の人以上の責任感をもって仕事に取り組む熱意が求められます。そんな業務に楽しみを感じられる人なら、活躍できる機会が数多くありますし、それを自己の成長につなげられるのではないでしょうか」と黒木社長は語っている。

 24時間体制で業務に携わる必要があるが、とはいえ社員が夜中も事務所で待機して備えているというわけではない。当然ながら、携帯電話などで連絡を取る仕組みを整えることで社員の負担軽減を図っており、「繁忙期以外は定時に帰宅でき、趣味など自分時間を楽しんでもらえます」(黒木社長)。なお、数年前から加盟している電気工事組合の活動として技術講習会や交流会を実施。その際には高所作業車を提供するなど、電気工事事業の魅力発信にも力を入れている。このほか、業界の協議会に参加し、ケーブル接続など信号工事に関する施工方法の標準化などといった取り組みも行っている。

 発展にともない街の姿が大きく変わりつつある福岡。同社の道路建設事業や信号機設置事業は継続が見込まれる。今後も基幹事業である信号機事業をベースとしながら、新たな事業への挑戦も視野に入れるなどしつつ、社員が働きやすい環境の整備にも取り組みながら事業発展を目指す考えだ。


<COMPANY INFORMATION> 
代 表:黒木 善崇
所在地:福岡市東区千早1-35-11
設 立:1980年7月
資本金:2,000万円
TEL:092-671-5025
URL:https://kyushin.com

<RECRUIT> 
募集職種:電工
応募資格:高卒以上 経験不問(経験者・有資格者優遇・年齢不問)
採用実績:2022年度/0人
採用予定:2人
問合せ先:kds@kyushin.com
採用担当:黒木善崇


<プロフィール> 
黒木 善崇
(くろき・よしたか)
1971年3月生まれ、福岡市出身。東福岡高等学校、西南学院大学卒業後、コカ・コーラボトラーズジャパン(株)に入社。96年4月に九信電設(株)に入社、2018年1月に代表取締役に就任した。

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