韓国経済ウォッチ~エチレン価格の急落で化学業界ピンチ
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韓国の産業通商資源部の統計によると、エチレンの平均単価は8月10日基準で775ドルで、6月の単価である1,420ドルに比べると半分近く価格が下がったことになる。エチレンの原料であるナフサとの価格差(スプレッド)は同じ時期に834ドルから341ドルに半分近くになっている。
「化学業界の米」と呼ばれているエチレンは価格が急落している。実は、今年の第二四半期までエチレン価格は上昇し続け、化学業界はわが世の春を謳歌していた。しかし、状況が一変し、化学業界は第三四半期の業績を心配するほどになっている。
エチレンはいろいろな用途に使われる原料で、ポリ塩化ビニール(PVC)、洗剤の原料である界面活性剤、エタノールなどを作るのに使われる。用途が多彩で、化学業界では「化学業界の米」と呼ばれ、主要な収益源のひとつでもある。化学会社は石油から抽出されたナフサを原料に、それを分解してエチレンを生産しているのが現状である。ナフサとエチレンのスプレッド(価格差)が縮小するということは言い換えれば原料を加工して確保するマージンが減少することを意味するので化学業界にとってはただ事ではない。
今年の上半期は、エチレンの市況は好況であった。原油安が続くなかで、ナフサの価格は暴落したが、その反面エチレンの価格は供給不足で価格が上昇していたからである。化学業界では、通常ナフサとエチレンのスプレッドが400ドル以上であれば、損益分岐点を上回るとのことだ。
韓国の化学会社は今年の6月スプレッドが400ドルの2倍くらいになっていたので、かなり業績が良かった。しかし、下半期に入って、今まで定期点検などで生産を中止していた中国の化学会社とヨーロッパの化学会社が稼動を開始し、供給過剰気味で価格を下げている。さらに中国経済の失速で需要まで減少してこのような現象が起きている。
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