2024年12月22日( 日 )

地場トップクラスのサッシ工事業者 新社長「努力と機動力で当たり前を当たり前に」

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(株)サンヨー建材工業

新築工事に欠かせないサッシ工事
人脈と技術力で設立46年

 建具工事で福岡県内トップクラスの業績を誇るのが、飯塚市に本社を置く(株)サンヨー建材工業だ。

 建具とは、玄関ドアや窓、サッシなど、住宅の開口部に取り付けられる「仕切り」の総称を表す。ドアや窓がない建物がないように、建具工事は建物をつくる際に欠かせない。とくに住居における建具は、断熱性や防音性、ひいては防犯性など生活に関わる重要な部分にあたり、取り付ける建具によって建物の性能だけでなく、見るものに与えるイメージも大きく変わってくる。建具の取り付けには、関連する工事も多いため、図面作成の段階からほかの専門工事業者と連携して進める必要がある。これら建具をミリ単位で調整し、取り付けるのが金属製建具工事業者だ。

(株)サンヨー建材工業
代表取締役 越智 多見男 氏

    現会長・越智多見男氏によって設立されたサンヨー建材工業は、今年で設立46年を迎える。創業当時は木製のサッシからアルミ製のサッシへの転換が進んでいたころ。木製サッシに比べ、アルミサッシは施工が容易であることから異業種による参入が増えた時期でもあった。マンションデベロッパーを主体に構成される業界団体・(一社)九州住宅産業協会にも加盟している同社は、分譲マンションを中心に商業施設や小中学校や高等学校、介護施設など、これまで窓のある建物すべてに関わってきた。

 越智会長は人脈と技術力を駆使し、競合ひしめく建具工事業界で地道な営業活動を積み重ね、マンション新築工事におけるサッシ工事で飯塚地区・福岡地区における強固な受注基盤を構築してきた。

好調な業績推移のなかで新社長就任
次代へつなげる人脈と施工力

 「当社の経営理念は『努力と機動力』です。顧客の求めるものを丁寧に聞き、それを徹底することが信頼獲得につながると信じて、継続してきました」(越智会長)とこれまでを振り返る。さらに、「従業員が頑張ってくれるおかげで、経営者として努力を続けることができ、ここまで続けることができたと思っています」(越智会長)と続ける。未経験でもじっくり育て、定着してもらうことで施工品質を向上させ、継続受注につなげてきたのだという。

 同社の強みは経営陣の人脈と施工力にある。人脈を駆使することで、受注につなげ、従業員との信頼関係を築くことで、施工力を高め、顧客の要望に応えることで、継続受注につなげてきた。こういった戦略が功を奏し、受注は好調に推移。2010年代前半に8億~9億円で推移していた売上高は増収基調をたどり、22年9月期には17.8億円の売上高を計上するまでに成長した。

左から越智多見男会長、越智信次社長

    そしてその人脈と施工力は、次代の経営者に継承される。22年11月、越智多見男氏の子息・越智信次氏が取締役社長に就いた。年内には代表取締役にも就任予定だという。新社長・越智信次氏は、「社長就任から半年が経過して、少しずつ落ち着いてきました。従業員とともに、会長がつくり上げてきた組織の強化を図り、お客さまに貢献していく所存です。取引先の方々におかれましては、引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」と話した。越智会長は社長に伝えたいこととして、次の言葉を託した。

 「引き続き会長として、社長に並走していくつもりです。経営者として培ってきた経験と当社が大事にしてきた理念を引き継ぎながら、新しい時代に適合できる組織へと昇華させていってもらえれば」。

受け継がれる「現場重視」の姿勢
会長との並走で組織強化へ

(株)サンヨー建材工業    メーカーでもデベロッパーでもないため、「サンヨー建材工業」の社名を見かけることは少ないが、同社が関わった建物は、分譲マンション以外にも小中学校や高等学校、店舗、介護施設、病院など幅広い。ビル用アルミサッシ、スチール・軽量製、ステンレス製建具およびガラス・鏡などの建築資材の販売および施工を幅広く手がけてきた。

 越智会長が最も重視してきたのは、これらを施工する「現場」で、新社長・越智信次氏も東奔西走を続けているところだ。越智会長は、権限委譲できるところは権限委譲しながら、予算管理から工事進捗まで現場の状況把握を重視してきた。権限委譲については、「従業員を信頼できるからこそ、任せられるようになりました」(越智会長)と言い、実際にゼネコンの現場では従業員が表彰されるなど同社の施工力に対する取引先の信頼は厚い。

 この点について越智信次社長は、「当社が施工するサッシは、建物になくてはならないもの、つまり当たり前にあるものです。サッシと同じように、経営も当たり前のことを当たり前に行っていくことが重要だというのは、会長から学んだことでもあります」と話す。当面の目標については、「経営力を磨き、時代の流れを読みながら、時代にあった経営を心がけて組織を強くしていくこと」だという。

 福岡都市圏では、天神ビッグバンなどの再開発をはじめ、建物の新築工事が相次いでいる。新たに誕生するビルやマンションのなかには、同社が施工したサッシも少なくないだろう。福岡のまちづくりの一端を担う同社・新社長の手腕に期待したい。


<COMPANY INFORMATION> 
代 表:越智 多見男
所在地:福岡県飯塚市秋松941
設 立:1977年10月
資本金:1,000万円
TEL:0948-28-7727
URL:http://www.sanyokenzai.co.jp

<RECRUIT> 
募集職種:サッシ取付工
応募資格:学歴不問・未経験者歓迎(資格取得制度あり)
問合せ先:0948-28-7727
採用担当:越智


<プロフィール> 
越智 多見男
(おち・たみお)
1947年、福岡県嘉穂郡(現・飯塚市)生まれ。税理士事務所に5年間勤務後、76年にサンヨー建材工業を創業し、77年10月の株式会社化とともに代表取締役に就任した。2022年11月からは会長となった。趣味は畑仕事とゴルフ。

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