中古車価格の高騰が止まらない トヨタのアルファード爆騰中!
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半導体不足が自動車生産の足枷となり、自動車業界では新車購入の契約から納車まで1年以上がざらだ。その結果、すぐに乗れる中古車の価格が高騰し、なかでも人気車は中古車市場で新車価格を上回る水準で値が付けられている。
家族からせがまれて、手ごろな新しいファミリーカーを日夜ネットで検索し、財布と相談するお父さんお母さんの気苦労が収束する気配はない。
人気車種の1つ、トヨタ「アルファード」を例にしよう。添付のオークション画像を見てみると、右上(赤枠)、スタート金額が680万円に対して、応札額は1,400万円だ。同グレードの新車の車両価格は700万円程度であるから落札額はおよそ2倍である。
中古車価格を高騰させている要因は国内需要ばかりではない、海外での需要も拍車をかけている。たとえば、日本と同じ左側通行(右ハンドル)のオーストラリアでも、アルファードの人気は高く、およそ日本の倍の価格で販売されているという。オーストラリアはすでに日本より国民平均では高所得国である。2022年の日本人の正社員の年収中央値は350万円、オーストラリアの労働者全体の年間所得の中央値は6万5,000豪ドル(1豪ドル=94円とすると611万円)だ。
中古車が新車の倍の値段で売れるとなれば、当然、転売狙いも後を絶たない。21年8月に発売されたトヨタのランドクルーザー300は、納期が4年程度かかるということで、新車車両価格は510~800万円だが、転売が相次ぎ、発売当初は中古価格で3,000万円という値が付いたこともあった。トヨタも対応として、1年などの一定期間転売しない旨の誓約書を購入者に書かせるなどしているようだが、これは販売店により対応が異なり、法的拘束力もないことから、実質的には転売狙いと見られる極低走行車の出品が横行している。さらなる対抗策として、購入後1年間は車の所有権をディーラーがもつというシステムで転売対策をとるケースもある。
希少なものが欲しくなるのも世の常、人の常。しかし、その「世」の範囲がグローバリズムの影響を確実に受けており、そのなかで「日本」という経済属性がもはや優位ではないことをひしひしと知らせる事例の1つだ。
【寺村朋輝】
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