福岡維新の躍進に水を差す2つの問題
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恨み骨髄の前代表
「阿部さんは負けるつもりはなかったのです」──こう話すのは、維新に所属する福岡県内の地方議員。6月3日に行われた福岡維新の会(日本維新の会福岡県総支部、以下、総支部)の代表選をめぐり、敗れた前代表の阿部弘樹氏が、党本部に代表選の無効を訴え出たという。
代表選挙期間中に、北九州市議会議員が音頭を取って、福岡市議会議員をはじめとする複数の地方議員がバーベキューを行っていたことを問題視してのことのようだ。総支部所属の国会議員は3人おり、うち2人は福岡県内に事務所を有するが、国会議員には案内はなかった。
実際に参加していた議員によると、会費の徴収はなかったという。「当選したばかりの新人が多いから、懇親の場をもとう」と計画されたという。帰りには車代が渡されたが、受け取らなかった議員もいたようだ。
党本部は総支部に対応を一任した。総支部の調査委員会は「買収につながる事実はない」としたものの、疑義をもたれる行為は慎むよう、天野浩代表らに口頭で注意を行っている。
しかし、阿部氏は納得せず、7月中旬に博多駅前で行われた次期衆院選公認予定者を含めた街頭活動に出席しなかった。なんとも大人げない対応ではないか。
旧統一教会行事に参加
もう1つ指摘しておきたい。次期衆院選で維新は、春日市などを選挙区とする福岡5区に前福岡県議会議員の松尾嘉三氏を擁立するが、同氏は旧統一教会の関連団体会合に出席していたり、県議選では怪文書が広範囲に拡散されるなど、問題が少なくない。
これらは党勢拡大の足をかえって引っ張ることになるのではないか。
4月の統一地方選挙で躍進した日本維新の会は、福岡においても24人の地方議員を擁するまで成長した。だが、他党のような支持基盤をもたず風頼みにあるだけに、舵取りを誤るとせっかくの躍進も水泡に帰する可能性がある。
【近藤 将勝】
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