中小企業の代位弁済が急増、倒産予備軍が福岡でも
2023年8月8日 17:15
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信用保証協会が保証付き融資の返済を肩代わりする「代位弁済」が急増している。全国信用保証協会連合会によると、2023年度4~6月の全国における弁済数は計9,720件となり前年同期比で70.1%増えた。代位弁済は企業倒産の先行指標の1つとされており、今後中小企業の倒産が増えるものと懸念される。
コロナ禍で企業への資金繰り支援が行われ、とくに利子の支払いと元本の返済を一定期間、事実上免除するゼロゼロ融資により、多くの企業で借金が膨らんだ。今年に入り、多くの企業でその無利子・据え置き期間が終了し、返済が始まっている。物価・資源高など事業環境が悪化するなか、資金繰りの厳しさが増し、自社で返済ができず、保証協会の代位弁済を受ける企業が増えていくことが予想される。
新型コロナ以前の17年度から19年度において、全国の代位弁数の件数は平均約3万5,000件で推移。コロナ禍の20年度、21年度は約2万~2万3,000件と減少していたが、22年度は3万件に戻り、23年度4~6月はそれを上回るペースとなっていた。
福岡県でも増えている。福岡県信用保険協会によると、県内では今年度4~6月は計464件となり前年同期比で41.8%増えた。コロナ以前の19年度は1,539件であり、コロナ禍の20年度、21年度は800件台と減っていたが、22年度は1,480件であった。23年度4~6月の対前年同期比増加率は全国のそれより低いものの、今後、人件費や材料費の高騰に伴うコスト増が影響し、全国同様に代位弁済が高水準になること、県内でも倒産予備軍の企業が増えることが予想される。
【茅野 雅弘】
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