筑肥線電化40周年、国鉄色車両が運航中。JR九州も温故知新で刷新を
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JR九州は8日から筑肥線の筑前前原(福岡県糸島市)―西唐津(唐津市)間で、筑肥線の姪浜~唐津間の電化40周年を記念して「国鉄色」を復刻した電車1編成を運行している。国鉄色とは水色にクリーム色の帯が入ったボディカラーで、当時走っていたのと同じ103系1500番台車両を塗り直して電化当時を再現したもの。唐津市の唐津車両センターで6日にお披露目されていた。
筆者も通勤で同線を利用しているが、筑前前原で乗り換えの際に瑞々しいブルーカラーの車両に遭遇した。車両正面の右上には、国鉄のマークであるJNRのロゴが入っている。
ただ1つ気になったことがある。塗り直したばかりの列車の側面はすでに擦り傷だらけなのだ。これは、筑前深江~鹿家の間で線路わきに生い茂る草木に車体を擦り付けているためだ。草木の伐採も人手がかかるため、このようになってしまうのだろう。今の時代にローカル線を維持することの課題がここにも現れている。
JR九州は22年秋のダイヤ改正で福岡都市圏の朝夕ラッシュ時について大幅な減便に踏み切った。その背景には、JR九州において運用可能な代替車両の不足が関係しているとの指摘もある。
エネルギー価格の高騰や、SDGsの推進ならびに2024年問題におけるトラック運転手の不足が課題として認識される今日、運輸交通網戦略における鉄道輸送の役割は重要になっている。分割民営化後のJR九州が、鉄道貨物の扱いをおざなりにしてきたことは当時の時代の流れとしてやむを得なかったとしても、ぜひとも、新しい鉄道輸送への要請に応えた、鉄道貨物拡充の対応を進めていただきたい。4年後の27年には民営化40周年を迎える、車両を塗り直して大切に使うことは賛成だが、表面の塗り直しだけではない、新しい時代にむけたJR九州の役割が求められている。
【寺村朋輝】
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