2024年12月23日( 月 )

宮内代議士(福岡4区)の軽率なSNS投稿に批判の声

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 SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用する国会議員・地方議員は多いが、その投稿が炎上するケースが相次いでいる。改めて政治家の責任と自覚を考えたい。

エッフェル塔前で真似るポーズ

 「国会議員の視察や外遊は遊びと変わらない。国民の血税をなんだと思っているのか。」

 こう語るのは、自民党を支持している福岡市内の女性。女性は、選挙の際は熱烈に応援してきたが、「最近の議員は、何々副大臣とか、党の要職に就いたとたん、庶民を見下したふるまいをする。国益より自分のことが優先。日本はどうなるのか」と憤る。

 7月下旬、自民党女性局長を務める松川るい参議院議員、局長代理の今井絵理子参議院議員をはじめ、全国の自民党所属の女性地方議員38人が、海外研修の名目でフランスを訪問した。その際にエッフェル塔の前でポーズを取った記念写真が大問題となっている。

 問題発覚直後から、「視察ではなく観光旅行ではないか」「党費というが、政党助成金を通じて税金も含まれている。税金の無駄遣いだ」といった批判がSNS上で噴出。自民党本部や議員事務所などにも抗議が殺到し、松川議員らは釈明に追われている。

 写真を確認したが、研修に参加していた地方議員のなかに、他府県だが、知っている議員も確認できた。福岡の議員はいなかったようだと胸をなでおろしていたところ、今度は福岡の議員が別の事案で問題となった。

マーライオン前でおどける

 7日に文春オンライン(週刊文春)が報じたところによると、自民党の宮内秀樹衆議院議員(福岡4区)が、6月22日から25日までシンガポールで行われた国際オリンピック委員会主催の「オリンピックeスポーツシリーズ2023」を視察した際、マーライオンの口から出る噴水を飲み込むようなポーズで撮影。その写真をSNSにアップしていた。(※画像)

マーライオン前でおふざけポーズを取る
宮内代議士

    ところが、松川議員らの投稿が炎上した後、いつのまにかSNSから削除されていたという。

 宮内議員が行った「マーライオンポーズ」は、シンガポールを訪れた人の間では定番のポーズのようで、検索してみると多くの人が同じポーズで写真に収まっている。

 人がやっているから自分も真似したくなるという気持ちもわからなくはないが、宮内議員は菅政権で農水副大臣を務め、現在は衆議院文部科学委員長を務める与党の中堅議員である。渡航目的も公的なものだ。一般人が観光を楽しむのとはわけが違う。

 交通費は公費ではなく自腹と説明しているが、月100万円支給されている「調査研究広報滞在費」を使うとなれば、税金から支出されていることに変わりはない。冒頭の女性が怒るのも当然である。

地元選挙区は波乱模様

 宮内議員がシンガポールを視察した1週間前、自民党の吉松源昭・福岡県議会議員が福津市内で記者会見を開き、次の衆議院選挙に福岡4区(福岡市東区の一部や宗像市、糟屋郡など)から立候補することを表明した。宮内議員に対する宣戦布告といってよい。会見は自民党県議団主催のセミナーに合わせて行われ、福岡4区内の同僚県議も同席していた。

 吉松県議の出馬表明により、保守分裂選挙になる可能性が高いが、この状況を虎視眈々とうかがっていたのが、元津屋崎(現・福津市)町長で現在日本維新の会所属の阿部弘樹衆議院議員(比例九州)。保守分裂は自分に有利に働くと踏んでいたようだ。しかし、阿部議員は6月に行われた日本維新の会福岡県総支部の代表選に敗れ、博多駅前の街頭活動に参加しないなど大人げない行動が目立ち、総支部内で評判がよくないという。

 宮内議員は福岡4区において優位にあったにもかかわらず、今回のSNS投稿と削除が明らかとなり、再び地元県議などの批判が高まるのは必至だ。

 同議員は昨年、旧統一教会主催のイベント出席がネット上の写真で確認され、報道されたものの、宗教を管轄する文部科学委員長として、不当な勧誘による高額な寄付などを規制する「不当寄附勧誘防止法」の制定に尽力したことで、評価する声が挙がっていた。せっかくの評価が台無しである。軽率な行動と言わざるを得ない。

 今回、ネット上でいわゆる「炎上」となったわけだが、政治家に限らずSNSへの軽率な投稿は、本人だけでなく所属する企業・団体、さらには取引先の信用低下を招きかねない。とりわけ、公僕たる政治家に対する国民の視線には厳しいものがある。

 インターネットのないひと昔前なら、多少のおふざけも許されたかもしれないが、いまはそうはいかない。政治家は責任ある立場だからこそ、言動は慎重でなければならないと思う。

【近藤 将勝】

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