2024年11月13日( 水 )

アビスパ、連勝は5でストップ 福岡0-1新潟

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サッカーイメージ    サッカーJ1リーグのアビスパ福岡は18日、ホームのベスト電器スタジアムにアルビレックス新潟を迎えて第24節の試合を行った。

 ここまでリーグ戦5連勝と、波に乗るアビスパ。対する新潟は、前回対戦ではMF伊藤涼太郎(現・シントトロイデン)に3ゴールを奪われて逆転負けした相手。雪辱をはたすべく挑んだ一戦だが、試合は紙一重の差でアウェーチームに軍配が上がった。

 ボール奪取からの鋭いカウンターを得意とするアビスパにとって、ゴールキーパーから始まる細かなパス回しで攻撃を組み立てる新潟のスタイルは、本来ならば「お得意様」。しかしこの試合では、試合後の記者会見でアビスパの長谷部茂利監督が「うまくいきませんでした」と開口一番語ったように、肝心の守備のスイッチがうまく入らない状態で試合が始まってしまった。

 新潟がボールをもち、主導権を握ってゲームが進み、19分。夏の移籍期間で新加入した新潟FW長倉幹樹がドリブルでエリア内に侵入すると、アビスパDF奈良竜樹、DF湯澤聖人、MF井手口陽介が囲んでボールを奪いにかかる。だが完全には止められず、こぼれたボールは新潟MF島田譲が回収。島田は左サイド深い位置からグラウンダーの高速クロスを送ると、走りこんできた新潟MF長谷川巧とアビスパDF前嶋洋太が絡み合うかたちになり、最終的には前嶋の足に当たったボールがアビスパゴールに吸い込まれた。

 記録上はオウンゴールだが、完全に新潟の攻撃がアビスパの守備を上回って生まれたゴールだった。しかも、深い位置からの高速グラウンダークロスは、新潟が試合前のウォーミングアップで入念に確認していた形。試合後、記者会見場に現れた新潟の松橋力蔵監督の表情が明るかったのも当然、という一撃だった。

 リードを許したことで、アビスパの守備のエンジンが回り出す。新潟の低い位置からのパス回しを、アビスパの選手たちは前線から追い回してボール奪取を狙うが、ここで今度はアクシデント。36分、運動量と無尽蔵のスタミナでサイドを制圧するDF湯澤聖人が、コンディション不良のため急遽交代となってしまう。

 後半になると、アビスパの迫力ある攻撃シーンも増えてくる。77分には最終ラインからのロングパスをエリア内に構えたDF小田逸稀が頭で落とし、走りこんできたMF金森健志がダイレクトシュートを放つがこれはGK小島亨介の正面を突いてしまう。アビスパは最後まで攻撃の手を緩めなかったがゴールは奪えず、試合はこのまま新潟の勝利で終わった。

 リーグ戦の連勝は5でストップ、順位は1つ下がって8位となった。敗れたとはいえ、顕著なミスや戦術的な手詰まりによる黒星ではない。アビスパらしい、身体を投げ出す決然とした守備からの速攻も随所に見られ、スタジアムは何度も沸いた。

 8月も後半に入って試合間隔が密になり、選手たちの疲労も溜まってくるころだ。リーグ戦に加えて勝ち進んでいる天皇杯、ルヴァンカップとほかのJ1チームよりも試合数が多くなるため、リーグ戦での出場機会が少ない選手たちの活躍がカギになるのは間違いない。

 苦しい夏を乗り越え、シーズン終盤にチャンピオンの座にチャレンジするためには、サポーターの後押しも欠かせない。

【深水 央】

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