【福商スイス・フランス視察】地球・人類存亡の危機、ウクライナ戦争の悪影響を実感(1)
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恒例のヨーロッパ視察旅行、4年ぶりに復活
フィンランド航空がヘルシンキ-福岡間の直行便を開通させたのは、2016年のことである。期間は夏場だけであったが、福岡にとってヨーロッパへの直行便ができたことは有難く、画期的なことであった。そこで、福岡商工会議所として「フィンランド航空に多少なりとも恩返しをしよう」ということになり、ヨーロッパ視察旅行が始まった。これまでに4回のツアーが企画され、うち、筆者は3回参加してきた。ところがコロナの蔓延でこの視察ツアーは休止され、このたび4年ぶりに復活したのである。
ウクライナ戦争の致命的な打撃、飛行航路
谷川会頭を団長に、参加者は合計18名。ツアーとしては手ごろな人数であった。今回のコースはスイスと南フランスが主体である。ただ、驚いたのは、ツアー代金の高騰である。5年前に比べて倍以上になっていた。前回はビジネスクラスでも120万円であったが、今回は250万円になっていた。ツアー好きな経営者も、今回は不参加の選択をした。ウクライナ戦争とオイル高、コロナ終焉による旅行客の増大等々で、“たび価格”が暴騰しているのだ。
そんなときに、松川なる女性国会議員のパリでのはしゃぎぶりを思い出すにつけ、物価高にあえぐわれわれの血税でエンジョイしてきたかと思うと本当に頭にくる。
福岡空港、19時発。30分遅れる。羽田に21時到着。バスで国際線へ移動するのは2回目の経験である。ヘルシンキに向けて出発するまで、待合室のレストランで軽食。携帯で注文して配膳されるのには驚いた。やはりハイクラスはハイクラスのもてなしを受ける。出国はパスポートの自動点検のみ。これが主流になってきた。今回搭乗した旅客機でのビジネスクラスの移動は、過去のものと比べてあまり居心地が良くはなかった。
以前は福岡空港からヘルシンキまで9時間前後で飛んでいけたことを覚えている。ところが今回は12時間以上かかったのだ。これはいったいどういうことか。飛行ルートを検証してみよう。
北極海回りは遠い
以前のルートはこうである。北京の東側を通りモンゴルを横切っていく。シベリアに到達して西に向きをチェンジする。ヘルシンキへはこれで10時間弱で到着できる。
羽田空港を23時半に発つ。飛行機は北北東ヘ針路をとり、アンカレジ方面、ベーリング海峡へ向かう。そこから一転、左折してひたすら北極海上を飛ぶ。途中、ジェット気流に遭遇して機内が揺れる。写真の通り、ただひたすら氷の海の上を飛び続ける。
ベーリング海峡までがそもそも4時間かかる。そこから左折してヘルシンキまで8時間かかるのである。北極海を突っ切っていくということは距離も時間もこんなに空費するのか、ロシア領内のシベリアを飛んでいけばいろいろなコースが選択できるだろうに、そうすれば飛行機を利用する人々に、こんなストレスを与えずに済むのになどと、ひとりごちた。
(つづく)
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