2024年11月21日( 木 )

台湾の銀行で初 玉山銀行が福岡支店開業レセプションを開催

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黄男州玉山銀行董事長(左)と久保敏也福岡支店長

 台湾の大手銀行の一角を占める玉山銀行(玉山商業銀行)が9月1日、ホテルニューオータニ博多(福岡市中央区)で同行福岡支店のオープニングセレブレーションパーティーを開催した。高島宗一郎・福岡市長、生嶋亮介・福岡県副知事、鬼木誠・衆議院議員ら約400人のゲストおよび約100名の同行関係者が出席。同行の職員で構成される楽団が演奏、歌唱を披露するなど、盛大に行われた。高島市長と陳銘俊・在福岡台北経済文化弁事処処長が来賓挨拶、倉富純男・九州経済連合会会長が乾杯の挨拶を行った。

祝辞を述べる陳銘俊在福岡台北経済文化弁事処処長
祝辞を述べる
陳銘俊在福岡台北経済文化弁事処処長

    同行は、台湾の最高峰(標高3,952m)である玉山にちなんで、玉山の如く台湾で最高の銀行を目指すとして1992年に設立された。同行を傘下にもつ玉山フィナンシャルホールディングス(玉山金融控股)は、米『フォーブス』誌による「世界における最高の銀行」ランキングで台湾1位を獲得するまでに成長している。

 玉山銀行は台湾のほか、中国、米国、オーストラリア、シンガポールなど10カ国に計31拠点を有し、日本では東京に17年に支店を開設した。福岡支店は同行で2店舗目の日本支店であり、台湾の銀行では初の福岡支店となる。半導体ファウンドリTSMCの熊本県進出を受け、今後、半導体関連産業の投資と発展が見込まれること、九州が台湾に地理的に近いことなどから支店開設を決めた。福岡支店に先立ち、22年7月に九州フィナンシャルグループの肥後銀行および鹿児島銀行と「業務提携に関する覚書」を締結するなど日本での事業基盤を拡大している。

 同行は1日、日台のメディアに対して記者会見を実施。黄男州・玉山銀行(兼玉山FHD)董事長は九州・福岡の事業環境について問われ、九州全体は今後大きく発展する可能性を秘めているとの期待を示した。とくに重視しているのは九州の半導体産業と自動車産業という。

 黄董事長はレセプションパーティーの挨拶で、玉山銀行が金融にとどまらず文化の面でも日台間の交流を促進する活動を行っていることを紹介した。同行は6月に福岡の学校とコラボしてのコンサート、7月に熊本県で経済セミナーを実施したほか、今月実施される「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2023」の協賛企業にも名を連ねている。黄董事長は、同行が日台双方の企業に有機的な金融サービスを提供し、日台間の協力と交流をより一層進めていくと力を込めた。

 来賓挨拶を行った高島市長は玉山銀行の福岡支店開設は福岡市・県らの進める国際金融機能強化に合致するものと高く評価。同支店が天神ビッグバンの規制緩和の象徴である天神ビジネスセンターに入居することに歓迎の意を表すとともに、天神ビッグバンでより高付加価値なビジネスを福岡に集積させるうえで、同行の今後の活躍に大いに期待していると述べた。高島市長は来月台湾を訪問し、福岡のプロモーションを行うという。

【茅野 雅弘】

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