良きライバル福岡市前副市長・貞刈厚仁氏*中園政直氏~最後にはどちらが笑うか(7)引き分けで現役引退へ
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この貞刈厚仁氏と中園政直氏とライバル比較論をまず読んでいただきたい。両氏は2013年~19年の同時期に福岡市副市長として辣腕を振るい、高島宗一郎福岡市政に貢献してきた。ただ両氏の個性と活躍の場は対照的であった。両氏の特性を一言で言うと、正統派と寝業師といえる。もちろんこの表現はあくまで中立的なものであり、良し悪しに関するものではない。
再就職先での明暗
コロナの影響を受けたという意味での明暗である。中園氏が代表取締役社長を務めた博多港ふ頭もコロナの影響を受けたものの、貞刈氏が代表取締役社長を務めた博多座が受けた打撃と比較したら軽微であった。博多座は興行をストップした時期もあり、国からの援助が無ければ存亡の危機から脱することができなかったであろう。筆者は「通常の環境であれば貞刈氏は経営手腕を如何なく発揮し、博多座の経営を充実させることができた」と確信している。本人も忸怩たる思いであったであろう。
中園氏は意外と運に恵まれていた。博多港ふ頭社長のポストを背景に、福岡商工会議所の11部会の1つ、運輸・港湾・貿易部会の会長に就任したほか、福岡大学の理事にも就任した。これらの公的ポストに就き気分は爽快であったに違いない。ところが魔が指したようだ。警察が5月のG7広島サミットの警備のためにテロリスト候補者の取り調べを行った際、その網に中園氏もかかってしまい警察から参考人として呼ばれたのである。そこから運が枯れ始めた。
70歳で面倒見は終わり
中園氏、貞刈氏共に昭和28(1953)年生まれである。中園氏は早生まれで、3月で70歳になった。福岡市の決まりでは市が世話をするのは70歳までとなっている。そのため博多港ふ頭社長を退任し、顧問として1年間残ることになった。これは恒例の人事である。公職としては福岡大学理事のポストが残っている。筆者はかねてより勧告していた。「自身で経営する能力がおありになるのだから、リスクを背負って会社を設立して華の70代を過ごしていただきたい」と。本人も内心、その気になっている様子である。中園氏の選択に期待する。
貞刈氏は2024年2月に70歳になる。そこで博多座社長の座を降りることになる。それから1年間は顧問として残る予定である。貞刈氏には貞刈氏の持ち味があるので中園氏に対するような助言はしない。貞刈氏の人望と能力の高さを評価する筋は多いであろう。4~5カ所から顧問に迎え入れられるだろう。70代をつつがなく過ごせればビジネス人生はハッピーで終えられる。
両氏の個性・哲学・スキルは好対照的であるが、ビジネス人生は引き分けといえるであろう。
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