2024年11月23日( 土 )

大分市のエヌケージー、野田建工と役員に、特商法違反で業務停止命令

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 消費者庁は22日、(株)エヌケージーと(株)野田建工(両社とも大分市、野田武政代表)に対して、特定商取引法に違反したとして15カ月間、訪問販売に関する業務の一部を停止するよう命じたことを発表した。

 合わせて消費者庁は、両社の役員である代表取締役・野田武政と取締役副社長・村上東洋一の両氏に対して、両社に停止を命じた業務範囲を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含む)の禁止も命じた。

違反の概要

 両社は、屋根瓦のふき替えと外壁塗装の工事などに係る役務提供を行う目的で訪問販売を行うなかで、消費者に交付した契約書に、クーリングオフ(以下、契約解除)に関する事項の記載をしていなかったほか、消費者が契約解除の交渉を開始したところ、解除を妨げるために契約解除することができないものであるかのように告げていた。

 消費者庁は、この行為を特定商取引法の「書面の交付義務に違反する行為(記載不備)」ならびに「役務提供契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為」と見なし、両社に対して2023年9月22日~24年12月21日までの間、訪問販売に関する業務のうち、役務提供契約の締結について勧誘すること、申込みを受けること、契約を締結する業務の停止を命じた。

役員に対する異例処分と、過去の違反と法人の解散&再設置

 野田建工とエヌケージー(当時の社名:ノダホーム(株))は、18年にも特定商取引法違反で6カ月の業務停止命令を受けていた。本件についても当時、記事を掲載している。

(1)「行政処分逃れか 営業停止命令受けたリフォーム会社の解散と事業譲渡
(2)「業務停止命令のリフォーム会社 社名変更し、営業再開か?

 上記(1)の記事中で野田建工について、「同社はすでに解散し、別会社に事業を引き継いでいる」と記載しているが、今回、同じ野田建工が再度処分を受けている。これはどういうことなのか。過去の登記を見ると、18年10月31日株主総会の決議により解散と同日登記がなされている。しかし、新たに今回取得した登記を見ると、取締役設置会社が同年11月5日に設定、翌日登記がなされていた。

 今回の処分は、野田建工とエヌケージーに対する処分だけでなく代表社長・野田氏と副社長・村上氏に対しても、処分を受けた範囲の業務を新たに開始することの禁止という異例の命令が出ているが、それは過去のこのような行為に鑑みての処分と見られる。

【寺村朋輝】

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