2024年11月05日( 火 )

工期短縮と税制面に強み セイワパークの認定駐車場とは

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 福岡市を拠点に駐車場の建築から管理運営、保守メンテナンスまでを手がけるセイワパーク(株)。1978年の設立以来、45年にわたって独立系事業者として業容拡大を続け、都市環境の整備に貢献してきた。そんな同社の主力事業において、認定駐車場の建築が注目されている。認定駐車場とは、国から認定を受けた自走式立体駐車場のことで、国土交通省において、安全性に関する厳しい基準をクリアすると認定を受けられ、「耐火被覆の免除」や「消火設備の簡略化」といった緩和措置を受けられるなどのメリットを有するほか、減価償却など税制面において優位性を享受することが大きな特徴となっている。

設計・施工期間を短縮

 セイワパークが提供する認定立体駐車場(国土交通大臣認定)は防火設備の緩和を受ける防耐火認定の自走式駐車場である。

 在来工法では、1,500m2ごとに設置が義務付けられている防火区画(建築基準法施行令第112条)が認定自走式駐車場では不要で、代わりに40m(400m2)ごとに遮へい板を設置することで済むことになる。そのため、施工期間の短縮および建築コストの圧縮を図ることができるのが、大きなメリットとなっている。

認定立体駐車場
(主要な構造部の構造方法や特定防火設備の詳細)

 セイワパークが加盟する業界団体である(一社)日本自走式駐車場工業会は、大規模な火災実験を通じて得られた知識に基づき、必要な防火性能および耐火性能を検証している。その結果、指定の性能評価機関による防災性能評価を受け、国土交通大臣から「耐火建築物」として、建築基準法(第68条の25、同条の10)の認定を取得。主要構造部である鉄骨の柱・梁に耐火被覆を不要とすることを可能としている。

 また、認定自走式駐車場は、原則として外壁を設けない開放された構造のため、万が一の火災発生時においても、煙の蓄積によるフラッシュオーバー(火災拡大現象)が発生しにくい建築物となっている。さらに「防耐火の認定」によって高い安全性が担保されているため、スプリンクラー設備や泡消火設備等の設置について緩和措置を受けられるほか、通常の耐火建築物に要求されるような防火区画や防火シャッターを不要とするなど、消火設備を簡略化することも可能だ。

15年の減価償却が可能

 また、駐車場経営における減価償却は、重要な会計手法であり、資産管理と税金計画の面で大きな役割をはたすことはいうまでもない。

 セイワパークの認定駐車場・鉄骨造(S造)については税法上、構築物扱いとなるため、認定品の耐用年数15年で減価償却が可能となり、短期間で多くの費用を計上できるため、集中的な節税が可能になる。さらに、時間貸しの場合、事業所税は非課税となることも考慮すべき点だろう。1.2万台の駐車場を運営する同社は、次のように話す。

 「『平面駐車場から台数を増やして収益アップを検討したい』『計画地で何台収容できるかプランを書いてほしい』『建築コストを教えてほしい』―など、こういった駐車場経営に関することであれば、ぜひ当社へ相談してほしい」。

(※)減価償却は、駐車場の土地、建物、設備などの資産の価値が時間とともに減少することを考慮に入れるもの。一般建築の立体駐車場においては固定資産税上の建物扱いで、鉄筋コンクリート造(RC造)の耐用年数は38年、鉄骨造(S造)は31年と長期間での経営計画が求められる。

キャッシュレス時代を見据えて

 セイワパークは現在、キャッシュレス時代を見据えた研究開発にも取り組んでいる。6月29日には、新たな駐車場シェアリングサービス「パーキングペイシェア」の提供を開始。
(株)シード(愛知県名古屋市)が提供するもので、精算機やロック板などの駐車場機器を必要とせず、支払いは「パーキングペイ」専用アプリを通じて完全キャッシュレスで行う。導入された駐車場には、目印となるのぼり旗とカラーコーンが設置され、利用者は専用アプリ内でリアルタイムに課金額を確認することも可能。出庫時はアプリ内で電子決済する仕組みだ。

 1978年の設立以来、45年にわたって独立系事業者として業容拡大を続けてきた同社だが、キャッシュレス化の波は同社にとって追い風となる可能性を秘めている。コロナ禍を経験し、近年は自社物件の拡大にも乗り出す同社の取り組みに注目したい。

【児玉 崇】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:清家 政彦
所在地:福岡市博多区東比恵2-1-3
設 立:1978年2月
資本金:5,000万円
TEL:092-474-8000
URL:https://www.seiwapark.co.jp

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