アビスパ、若武者鶴野の一撃で先勝! 福岡1-0名古屋
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サッカーJ1リーグのアビスパ福岡は11日、ホームのベスト電器スタジアムに名古屋グランパスを迎え、ルヴァンカップ準決勝第一戦の試合を行った。
川崎フロンターレの横綱相撲に屈した天皇杯準決勝から中2日。長谷部茂利監督は、スターティングメンバ―を11人中10人が入れ替えてゲームに臨んだ。長く実戦から離れていたMF中村駿、DF亀川諒史、また天皇杯準決勝で意地のゴールを決めたFW鶴野怜樹らがピッチに立ち、試合開始となった。
相手の名古屋はここまでリーグ戦6位。これまで攻撃の主軸を担ってきたFWマテウス・カストロが夏の移籍市場でサウジアラビアに移籍したことで、攻撃面に課題を抱えている。アビスパとはJ1リーグ戦で9月16日に対戦。試合終了間際のFWウェリントンのゴールで、アビスパが1-0で勝利を収めている。
試合は最終ラインからボールを回そうとする名古屋に、アビスパは前線からの守備と鋭いカウンターで対抗する図式でスタート。前半で出色のプレーを見せたのは、3トップの一角として出場したMF平塚悠知だ。普段プレーするポジションより一列前で積極的に攻撃参加をする一方、守備では相手DFにプレッシャーをかけて自由にプレーさせない。このところ出場機会が増えている平塚が、ベススタのピッチで躍動した。
その平塚に起きたアクシデントが試合の「あや」になるのだから、サッカーはわからない。37分、平塚が右足を痛めて交代を余儀なくされる。代わりにピッチに立ったのは、8日の天皇杯準決勝に先発したMF紺野和也だ。
MF紺野は連戦の疲れも見せず、果敢なドリブル突破と両足から繰り出すパスで名古屋の守備陣を切り崩す。そして前半アディショナルタイム、48分。名古屋DFが処理を誤ったボールをMF紺野が素早く奪い、右サイドに侵入。紺野がペナルティエリア手前からゴール前に左足のクロスを上げると、FWウェリントンに気を取られた名古屋DF陣の背後から飛び込み、ヘディングシュートを叩き込んだのは身長162cmの小兵・FW鶴野怜樹だった。
長谷部茂利監督が「(鶴野は)もともと力はもっています。ゴールを決めるだけの能力がある」と太鼓判を押す得点能力を存分に見せつけた鶴野は、天皇杯準決勝に続き公式戦2試合連続ゴールを決めた。
後半、名古屋は元デンマーク代表FWキャスパー・ユンカーを投入。FWユンカーをターゲットに、抜群のスピードを誇る元日本代表FW永井謙佑、巧みなドリブルと強烈なシュートが持ち味のFW前田直輝がアビスパ守備陣に襲いかかる。
ここで存在感を見せたのが、7月にサガン鳥栖から加入したDF田代雅也だ。加入当初こそ出場機会に恵まれなかったものの、同ポジションのDF井上聖也が負傷離脱したこともあり、9月以降先発の機会が増えていた。この試合でも、持ち味の身体を張ったディフェンスで名古屋の攻撃を何度も食い止めていた。また、前線への鋭い縦パスを何度か試みるなど、攻撃面での貢献も光っていた。
試合はこのままアビスパが1-0で勝利。終わってみれば、アビスパの強固な守備ブロックの前に、名古屋が決定的なチャンスを迎えることはほとんどなかった。アビスパとしては注文通りの完勝と言っていいだろう。
だが、ルヴァンカップ準決勝はホーム&アウェーの2試合で勝者が決まる。15日(日)に豊田スタジアムで行われる第二戦で引き分け以上の結果を残せば、アビスパがクラブ史上初の決勝に進むことができる。
11月4日、東京・国立競技場。この舞台に立つために、アビスパは大きなステップを登った。
【深水 央】
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