後継者の虚言吹聴と脛かじりは止められぬ
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3代にわたって企業経営を持続することは至難の業である。福岡においても3代目で行き詰ったケースは枚挙にいとまがない。博多の街でも「あそこの跡継ぎは変人だから無理であろう」とか「自信過剰であるから誰も従わないよ」と品評談が花盛り。
ある店で耳にしたことは、「隣の店の店長は3代目なんだけど、とても変わってるんだよ。女将(母親)が必死で教育しているが、息子の評判は悪い。それで女将は可哀そうなほど苦労してる。事業継承は難しいだろう」という。
中洲の飲食店では一番利益を出しているといわれるA店。跡継ぎとみられていた息子は「この家業には将来性がない」と罵言を吐いて飛び出していった。近々、A店は創業の周年祝いを行うのだが、案内状には当の息子が会長として記載してある。関係者は首を捻る。「店に携わっている雰囲気は皆無だ。どこかで新事業を起こしたという話も耳にしてない。やはり息子の名前を会長として残していないとまずいと考えているのかな」と漏らす。
これもまた博多名物店の長男で、至るところで「俺が社長になったら新規事業に挑戦する。家業は古い古い」と吹聴しているB。また経営者協議会の席上でも、「俺が社長になったら」云々と吹き出した。筆者の友人はBに対して一度、「御託を並べる前に一度、独立して事業を起こしてみろ!父親はお前に事業継承するつもりはないぞ!」と注意をしたそうな。しかし当人は腹をくくって独立など出来ぬであろう。
まこと苦労知らずは家業を軽んじ、かといって脛かじりもやめられないものであるな。
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