アビスパ、久々の完敗劇 福岡0-4横浜FM
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サッカーJ1リーグアビスパ福岡は28日、ホームのベスト電器スタジアムに横浜F・マリノスを迎えて第31節の試合を行った。
久々に、「完敗」という言葉がふさわしい敗戦だった。アビスパはクラブ史上トップタイの8位につけ、さらにルヴァンカップでは史上初の決勝に駒を進めている。一方のマリノスはリーグ戦首位の神戸に勝ち点差4の2位。逆転優勝に向け、残り試合はすべて勝ちを狙っていきたい状況だ。
試合はアビスパのペースでスタートする。前線からプレスをかけ、ボールを奪えばショートカウンターでゴールに迫る。いつものアビスパのプラン通り、あとはチャンスの数を増やせば得点につながるように見えた。
だが、昨年のチャンピオンチームであるマリノスはそれを許してはくれなかった。19分、最終ラインでボールをもった横浜DFエドゥアルドは、左サイドに長いパスを送る。前線にプレスに出ていたアビスパDF前嶋洋太の後ろ、守備に残っていたDFドウグラス・グローリの右にできた広大なスペースには俊足のFWエウベルが走りこんでいる。ゴールライン際でボールを収めたエウベルがマイナスのクロスを送ると、中央で待ち受けていたFWアンデウソン・ロペスがダイレクトで合わせて先制。一瞬のチャンスを、完璧に合わせてゴールに結びつける。さすが、と唸る先制ゴールだった。
試合後の監督会見で明らかになったが、これはマリノスのケヴィン・マスカット監督の作戦通り。「アビスパがアグレッシブに前に出てくれば、当然スペースができる。そこを狙っていた」。マスカット監督は「Finest, fantastic」と選手たちのプレーを最大限に讃えながら、アビスパ対策がうまくハマったことを笑顔で語った。
先制点からわずか6分、25分にはロペスが2点目を奪う。後半開始早々の48分にはMF植中朝日が3点目のゴールを決め、これで万事休す。55分にはFWウェリントンを投入して攻勢を強めるアビスパだが、決定機には至らない。試合終了間際にはマリノスFW宮市亮にもゴールが生まれ、0-4の大敗というゲームとなった。
やはり、ここぞというときの強豪は違う。天皇杯準決勝川崎フロンターレ戦でも感じたことだが、絶対に負けられない試合で見せるしたたかさ、底力は、やはり強豪と呼ばれるだけのことはある。「クラブ史上初」を更新し続けるアビスパとは、積み重ねてきた歴史が違うのは認めなければいけないだろう。
だが、だからこそ今のアビスパを力強く後押しし続けていきたい。選手たちや監督・コーチ・スタッフだけではなく、私たちサポーターもまた、今アビスパの歴史に新しいページを記しているのだから。
次の試合は、いよいよルヴァンカップ決勝。東京・国立競技場に、新しい歴史のページを開き、栄光の星をつかむため、アビスパが挑むときがやってきた。
【深水 央】
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