2024年08月26日( 月 )

ゼロゼロ融資全体の不良債権は2兆円を超える恐れ、最終的に国民負担か

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 会計検査院の調べによると、新型コロナウイルス対策として、実質無利子・無担保で行われたいわゆる「ゼロゼロ融資」について、不良債権が拡大していることが分かった。

 政府系金融機関である日本政策金融公庫と商工中金の22年度末までの融資と再建状況は以下の通り。

貸付実績:19兆4,365億円
返済済 :5兆582億円
償却済(回収不能額):697億円
残 高 :14兆3,085億円

 残り債権のうち、倒産などの危険がある「リスク管理債権」とされているのが8,785億円、回収不能の可能性が高い「部分直接償却」が1,246億円となっている。

 上記の政府系によるゼロゼロ融資は2020年3月から開始されたが、融資要請が膨大な件数に上ったため、同年5月からは民間金融機関でも受け付けを開始した。

 その結果、ゼロゼロ融資の利用件数は22年9月末時点で約245万件にのぼり、融資総額は約43兆円にのぼる。民間の金融機関でも政府系と同様の比率で不良債権が発生していると見た場合、ゼロゼロ融資全体の不良債権額は2兆円を超える可能性がある。これらは最終的に国民の負担になる可能性が高い。

【寺村朋輝】

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