第5次中東戦争へと続くイスラエル・パレスチナ戦争(後)
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(株)日本一
代表取締役 桜 大志 氏NetIB-NEWSでは、ニュースサイト「OTHER NEWS」に掲載されたDEVNET INTERNATIONAL(本部:日本)のニュースを紹介している。DEVNETはECOSOC(国連経済社会理事会)によりその総合諮問資格を認定されている非政府組織(NGO)。「OTHER NEWS」(本部:イタリア)は世界の有識者約1万4,000名に英語など10言語でニュースを配信している。今回は11月1日掲載の記事を紹介する。
ハマスにはロシアの陰もある
ロシアはどうかというと、明確にハマス寄りである。米国の子飼いのイスラエルを支持する理由など皆無である。ウクライナ戦争で忙しいだろうからいきなり中東戦争に参戦することはないだろうが、ハマスに対しては9,300万ドル以上を仮想通貨で援助している、ロシアはハマスのいわば有力な株主の1人である。ハマスの陰にロシアがあることはたしかであり戦線が拡大すれば支援は辞さないだろう。
このようにハマスは「イラン」「ロシア」「アラブ・スンニ派各国」「武装民間組織」とつながっているため「イスラエルVSハマス」という一対一の戦争ではなく、「イスラエルVSハマス連合」と捉えねば見誤る。いや正確に述べると「イスラエル欧米連合VSハマス連合」という構図になっている。
世界戦争の引き金にならなければよいが
ウクライナ戦争が欧米とロシアとの代理戦争であるように、「イスラエル・ハマス戦争」も欧米とアラブ諸国およびロシアまで含める代理戦争となる可能性を秘めている。アラブの国々すべてを含む戦闘になるかもしれない「イスラエル・ハマス戦争」の近未来は、欧米とロシアとの代理戦争であるウクライナ戦争の規模を超えてしまい、地域をも超えた世界を巻き込む大戦争になるかもしれない。
それでなくとも世界は今、ウクライナ戦争によって対立軸が明確化し世界は完全に二分化されてしまった。プーチン大統領は中国を訪問しており、北朝鮮の金正恩はロシアを訪問したし、中国に訪問もした。ウクライナ戦争で世界の孤児にされたロシアを助けたのは中国と北朝鮮だった。そして理屈通りに「ロシア・中国・北朝鮮三か国連合」と相成ってしまった。日本にとっても世界にとってもあってはならない最悪の構図が現出している。
さらにロシアの盟友であるシリア、イランは確実にその同盟側にいる。イランはロシア・中国と海軍の合同軍事演習をするほど接近している仲良しだ。その他トルコ、ベトナム、モンゴル、ブルガリア、ハンガリー、キューバ、ベラルーシ、カザフスタン、ブルガリアなどもロシアの友好国である。また大国インドは賢くロシアともアメリカとも友好関係を築き二股外交をしているが、世界戦争勃発の際に必ずしも西側陣営に入るとは限らない。モディ首相の外交姿勢は想像以上にしたたかである。両陣営激突の際にはインドはカギを握る国である。
中東で上がった火の手と混乱を見て、事に乗じて中国が台湾に軍事行動を起こしたり、北朝鮮が38度線を越えて南下したりするような事態になれば、それは第3次世界大戦そのものであり武器の一層の近代化、無数の大量破壊兵器の所持によって、第2次大戦の比較にならない被害が予測される。それは「ヨハネの黙示録」に記された「ハルマゲドン」の成就の世界観であり断じて受け入れるわけにはいかない。いかないがそのように世界が向かっているように思えてならない。第1次世界大戦や第2次世界大戦という言葉は、戦争が行われているときにはなく戦争が終わった後に名付けられたものである。私はすでに第3次世界大戦が始まっているのではないかという気がしてならない。
私の主観であるが、イスラエルは「正規の軍隊のないハマスなど簡単に捻りつぶせる」と思っているに違いないが容易にそうはならないと思う。それはベトナム戦争勃発時に「世界最強のアメリカにとって後進国のベトナムなど相手にならない、短期間で勝利し簡単に終結する戦争である」と楽観的な見立てをしたのと等しい。ハマスはイスラエルにとってジョーカーであるのだから。
イスラエルは巨大な軍事力でアラブと戦い続けているが、勝ったら孤立を深め、敗北したら国家が崩壊する、というジレンマを抱えている。
(了)
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