自民党福岡県連執行部会、保守分裂なら三原氏らの除名も
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対応は県連幹部に一任
自民党本部が16日に次期衆院選において福岡9区(八幡西区など)の公認候補にあたる支部長を置かないことを決めたことを受け、20日午前、自民党福岡県連は緊急の執行部会を開催した。出席者は原口剣生会長のほか、松本国寛会長代行、樋口明氏幹事長、松尾統章県議団会長(いずれも県議)などだった。
執行部会では原口会長が、党本部で茂木敏充幹事長から、大家敏志参議院議員の衆議院への転出(鞍替え)を認めず、福岡9区の支部長を置かないとの決定を伝えられた経緯を説明した。そのうえで、今後の対応については原口会長ら県連幹部に一任することが決まった。
また、県連が実施した党員投票で敗れた三原朝利北九州市議会議員が次期衆院選に無所属でも立候補する意向を示していることについて、原口会長は「保守分裂を招くようなことは許されない。除名も辞さない」と牽制した。
麻生氏は大家氏の会を欠席
大家議員は、茂木幹事長から参議院に残るよう説得されたが納得できないと言明し、自身の衆院への鞍替えを認めない党本部の判断は麻生太郎自民党副総裁の意向によるものだとの見方を示している。
大家氏が衆議院への鞍替えを表明して以降、麻生氏と大家氏の関係は冷え込んでおり、14日に東京で開催された大家氏の政経フォーラムには、高市早苗経済安全保障担当大臣や小泉進次郎元環境大臣などが出席するなか、麻生氏は欠席した。
麻生氏は、大家氏の政経フォーラムと同日に開催された今井絵理子参議院議員の「今井絵理子感謝祭2023INVITATON」には出席したため、政界には麻生氏のこうした行動を露骨な「大家外し」とみる向きもある。
福岡9区に支部長を置かないとする今回の決定は三原氏にとって有利に働くともいえ、水面下で北九州市政界での勢力争いが激化している。19日に開催された武内和久北九州市長の市政報告会において、武内市長は9区の三原氏と10区の大石仁人氏(ともに北九州市議)が立候補した場合、応援することを明言した。
三原・大石両氏が2月の北九州市長選で武内氏の選挙を応援したことに報いるものだが、今回、武内氏が両氏を応援するのには、自分の影響下にある国会議員がいたほうが政府や中央省庁などとの交渉がスムーズにいくとの計算があることは間違いない。
9区とは対照的に福岡10区は、県議会議員の吉村悠氏が支部長に決定した。20日の県連執行部会で吉村氏は、県議会議員の先輩にあたる県連幹部を前に10区支部長として議席奪還に向けた決意を述べたという。
自民党本部は、麻生氏の顔色をうかがい、9区、10区の対応を分けたが、保守分裂の火種を党本部自らが撒いたことにもなりかねない状況である。
【近藤 将勝】
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